中学生の頃、自分たちで適当に男女混合グループを作り、協力して課題を進め、発表するといった内容の授業がありました。

 

私は授業中、まともに先生の話を聞いていたためしはなく、いつも他の子が動き出してから、ワンテンポ遅れて行動するという鈍いお子様でした。

 

とくにいじめられていたわけではありませんが、グループに分かれる時など、気がつけば1人取り残されていることがよくありました。

 

「さて、困ったぞ」

 

と思っていると、

 

「しまった!出遅れたー!!」

 

と叫んでいる男子が目に留まりました。

 

全国模試で県内一桁レベルの、いわゆる「ギフテッド児」と呼ばれるような、高い学力を持つ男の子でした。

 

「この人、余ってやがる。ワロス」

 

と思いましたが、自分も余っているので、

 

「一緒にやろう」

 

と声をかけました。

 

「いいよ!良かったー」

 

と喜んで組んでくれました。

 

相手はさすがギフテッド、勝手にサクサク課題を済ませ、勝手に素晴らしい発表をして、無事終了しました。私は子どもの頃から仕事しないやつだったようだ。

 

 

避けられるギフテッド児

 

 

それから少し時間が経ったある日、クラスの女子が、

 

「自分より頭がいい人が近くにいると、自分がバカだと思われるから嫌だ」

 

と話しているのを耳にしました。

 

私は、優秀な人はさぞかし引く手数多だろうと思っていましたが、なるほどそういう考え方をする人もいるのかと驚きました。

 

言い方は悪いですが、ギフテッド層と比べれば、ほとんどの人が頭悪いと思うので、本人も周りの人もいちいち比較するようなことはしないのではないかと思います。

 

高い学力を持つ子が、自分だけで課題を済ませてしまって、他の子が学びの機会を得られない状況というのは問題だと思いますが、出来ない子が出来る子のやり方を見て、「こういう風にやればいいのか」と学び取れるタイプであれば、学力差のある子と組んでも問題ないと思います。

 

同じ学力の子たちと組んで、一緒に知恵を絞って、あーだこーだと議論しながら課題を進めていくのは楽しいだろうし、勉強になると思いますが、当時の私にそこまでのコミュニケーション能力は無かったし、リーダータイプの子に引っ張っていってもらう方が合っていたと思います。

 

要は、相性の問題かなと思います。