大分県立中央支援学校

特別支援教育コーディネーター

渡辺信一郎

 

 

掃除が苦手な児童への指導について

自閉情緒学級に在籍する小学生に対し、

掃除の指導を進める際には、実態を把握し、

特性に応じた視点を持つことが重要です。

実態把握のポイント

  1. 意欲の課題
    ・分担の意味理解:自分の役割や係の意義を認識する。
    ・責任を持つことの習慣化:苦手な作業でも協力して取り組む大切さを教える。
    ・「全部できないからやらない」という考えを克服する。

  2. 技能の課題
    ・道具の操作:雑巾、モップ、掃除機の使用練習。
    ・掃除範囲の認知:言葉の理解(例:「すみっこ」)や、見本や写真による視覚的支援を活用する。

アプローチの考え方

小学校段階では、「役割や認識を理解する」ことを優先し、自分のことを自分で行う力を養います。これは中学段階での作業学習の基盤となります。

ステップの例:

  1. 1年生:自分が使う道具や行動を意識する。
  2. 2年生:取り組んだ掃除内容を教師と共有する。
  3. 3年生:掃除の結果を報告する練習をする。
  4. 4年生:努力の自覚(「たくさん頑張った」)を促す。
  5. 5年生:自分の成果を振り返る力を育てる。
  6. 6年生:協働で掃除を行い、感想を述べる体験をする。

これらの段階的な指導を通じて、掃除への意欲や技能、協働の力を無理なく育むことができます。