雪の話題が多いけれど、
私は特別に雪を恐れているような気がする。
車は全然使わないし、出かけたくても家にじっとしている。
出かける時は、靴の中でつま先を丸めて、ソロソロ歩く。
雪が降ると、思い出すことがある。
前に住んでいた家の、隣の家の娘(こ)のことだ。
私より10歳以上も若い彼女が、30歳少し前のこと。
美容師として働いていて、結婚したばかりだった。
多分、彼と一緒に、お店を開いて、夢いっぱいの時期だった。
あの大雪は何年前だったのだろう。
彼女は雪かきをしていて転んだ。
手を骨折し、指が元に戻らなかった。
美容師として復帰することができず、
お店も上手くいかなくなったようだった。
隣の家はおじさん(彼女のお父さん)が一人で住んでいたが、
その家を売らなければならなくなったようだ。
保証人になっていたのかもしれない。
逃げるように引っ越しをして、噂話で消息を知るだけになった。
雪かきをして転んだだけで、人生が大きく変わってしまう。
その恐ろしさが、雪にまとわりついている。
彼女は今頃、どうしているのだろう?