身近なテーマから占星術の基本的な原理を考えてみましょう。

 

自分のホロスコープを作成したい方は 以下のフリーサイトで出生図を出してみてください

http://www.m-ac.com/pages/setting_j.php

 

(出生時刻がまったく分からない方はとりあえず1日の真ん中の正午12時にしてみましょう。正確な月の位置はそこから前後に6.5度の誤差内のどこかになります。時刻によっては「サイン」が違ってくる場合があります。月は24時間で約13度も移動する超速い天体です。)

 

 

<質問> 新月・三日月・半月・満月・十六夜 と ありますが、生まれた日の「月の位相」によって、何か特徴や違いはあるのでしょうか? 例えば、新月の時に生まれた女性と、満月の時に生まれた女性とでは何らかの違いを生じますか?

 

結論から言うと「バリバリに違いが出ます」

 

特に、結婚生活の様子社会生活(公の顔)プライベート生活の関係性、性格の大まかな傾向性にもずいぶん影響します。

 

しかも、同じ「新月」や「満月」の生まれだったとしても、男性と女性とではその影響の出方は違ってきます

 

(それは、太陽は男性・夫・父を象徴するのに対して、月は女性・妻・母を象徴するからです。男性にとってチャート上の月は妻を、太陽は自分を意味しますが、女性にとってのチャート上の太陽は夫を、月は自分を意味します。新月は「太陽は輝くが、月は太陽に隠される」わけですから・・夫と妻のどのような夫婦関係を暗示しているでしょうか?)

 

太陽と月というたった2つだけの天体なのですが、これらの相互関係から分かる情報はとても多いのです。

 

 

出生図において、太陽と月がどのような位置関係にあったのか?ということは、占星術ではけっこう重要なファクトになっているということです。(たぶん熟練占い師ならば見落とさず最初にチェックする項目のはず)

 

位置関係というワードが出てきましたが、分かっているようで分からないこのワード、占星学においてどんな意味があるのでしょうか?

 

まず一般的な「月の位相」(月相)について確認しましょう。

 

 

満月というのは、地球を挟んで太陽と月が180度(正反対)の位置にある状態です。

 

新月はその逆に、太陽と月がまったく同じ方向(角度0度)にあるわけです。

 

半月(上弦と下弦)はどうでしょう?太陽と月の角度は90度になります。

 

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<占星術の基本・・・アスペクト理論>

 

占星術において、天体と天体の角度(位置関係)のことを「アスペクト」(座相)と言います。

 

上に挙げているような180度、90度、0度といった特定の角度=アスペクトを形成する2つの天体の間には特別なエネルギー交流・化学反応が生じると考えます。

 

1つ1つの天体が、アスペクトを持たないで個別に存在していた時とは違って、お互いのエネルギーや性質が交流しあって化学反応を生じるわけです。

 

塩素系漂白剤と酸素系漂白剤を混ぜるとどうなるでしょうか?※良い子は絶対マネをしてはいけません!!)

 

これは占星術の最もベースとなる考え方です。

 

 

強い相互作用が生じるアスペクトが何種類かあります。

上のような占星記号で表わします。

 

(1)コンジャンクション(0度)

(2)トライン(120度)

(3)スクエア(90度)

(4)オポジション(180度)

(5)セクスタイル(60度)

(6)クィンカンクス(150度)

 

(1)~(5)は占星術におけるメジャー(主要)なアスペクトといって重要視します。

 

ネイタル・ホロスコープ(出生図)上には、太陽と月だけでなく、水星、金星、火星木星、土星天王星、海王星、冥王星の全部で10個の天体が記載されています。

 

 

そして、この10個が自分以外の残り9個の天体と、いろいろな種類のアスペクト(位置関係)を持つのです。

 

こうして天体間のエネルギー交流によって、その人の関心や行動や能力や性格気質が特徴だったものとなっていくのです。

 

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<太陽と月のアスペクトから分かること>

 

さて話を元にもどしましょう。太陽と月のアスペクトから何が読み取れるのか?

 

(1)コンジャンクション(0度)

 

「新月」の場合です。

同じ星座にあって0度でconjunctしていると、それら2つの天体は性質が混ざり合います。フュージョンします。

 

「0度の融合関係」は良いか悪いか(吉凶)を単純には判別できません。吉凶は混在します

 

ある面では融合したことでプラスに働くかもしれないし、別な面ではマイナスの作用が強く出るかもしません。

 

 

どの天体とどの天体がフュージョンするのかによっても相性が違います。

 

お互いに全く性質が正反対の天体同士がフュージョンすれば、お互いにとって居心地が悪いでしょう。かえって悪い干渉作用が出ます。

 

性質が似ている天体同士がフュージョンしたら、

それぞれの長所を「倍化」し合って融合されるので尋常ならざる絶大なパワーを発揮します

 

金星と木星、水星と天王星、などがそうした例です。これらの融合は良い方向に相乗効果が出ます。

 

では、太陽と月が重なり合うとどうなるか?

 

太陽は「月」的になり、月は「太陽」的に振る舞い始めます

 

そもそも、太陽(陽性)と月(陰性)はまったく性質が相反する天体です。

これらが融合すると性質の干渉やチグハグさが生じやすいのです。

 

妻は男性的に自分が夫であるかのように振る舞い夫は女性的になり妻になったかのように振る舞うのです。

 

妻は「活力と権威と優位性」を手にしますが、夫は妻のポジションに格下げされ「内助の功」で妻に仕えます。いわゆる尻に敷かれてカカア天下になるのです。

 

 

また、占星術において

「太陽」は社会的に見せる顔=公的な働きを示しますが

「月」は心理的・内面的な気分や本音を司っています。

 

普通の世の一般の人では、社会(職業生活)において公けの場で見せる役割や顔と、まったくの閉じられたプライベート空間で出す本音・心情・思いは違っています。

 

例えば、「自分ばっかり雑用を押し付けられて辛いのに、上司のあいつだけ楽してて酷いわ」と本音では感じていても、それを公けの場で、仕事の最中に思っていることや感じたことをストレートに上司にバンバン言う人はそういません。

 

それは、「社会的ペルソナ」「内面的・心理的な本音の顔」をある意味ではうまく使い分けて共存させているからです。

 

実は、太陽と月のアスペクトを見ると、この2つの顔の使い分けスムーズに調和的に行っているのか?それとも不調和でフラストレーションを抱えやすいのか?が分かってしまうのです。

 

「新月」では、この太陽と月の2つが「まったく同じ方向性」を向いて、同じ星座サインに同宮するわけですから、「表の顔と裏の顔」に差がまったくありません

 

よく言えば、裏表がなく「好き嫌いのハッキリした」明瞭な分かりやすい単純な個性を示しますが、

 

別な風に言えば、思ったこと感じたことをストレートに顔に出して他人に言うってことです。これは当然、会社勤めや組織人としては致命的になりかねません。

 

結果として、このタイプの人は、独立心も強いので、組織には合わなくて、自分で起業したり自営業を始めたりしやすい傾向があるのです。

 

(太陽と月のコンジャンクションは、社会生活とプライベートが一体化して境界線がありません。どちらかの躓きや挫折がそのまま他方面に影響します。社会的な失敗を、プライベート面でケアするということができません。運気もまた極端に上がるか、極端に下がるかの両極を激しく上下する傾向を持ちます)

 

しかも、自分だけでなく、必ず妻を協力者として巻き込みます。太陽と月は融合して一心同体になっているからです。男性は「勝気で行動力や経済力がある妻」(太陽の属性を身に付けた月)にリードされるでしょう。

 

一方で、新月生まれの女性は、自分が家庭に収まって旦那をサポートして控えめに、といった一般的な妻の働きや振る舞いができません。どうしても太陽=男性=夫のように、社会的立場を掲げて自己実現して生きようとします

 

自分が十分に男性化してしまっているので、自分こそが「亭主・夫・一家の主人」のように振る舞います。このような女性が結婚してうまくいくのは「妻のように控えめで従順な夫」だけです。そういうタイプと結婚せずに、ごく普通の自己主張が強いタイプの男性と結婚したら最悪です。折り合いが悪く「離婚」まで秒読みです。一家に「亭主」は2人もいらないのです。

 

太陽=父、月=母でもあるので、この人はそういった父と母の夫婦生活を見て育った人だとも言えます。

 

このように、太陽と月のアスペクトからは多くの情報が得られます。

 

・社会的な顔と内面的な本音の間にどのぐらい落差やズレがあるか?

・表の顔と裏の顔が恐ろしく違う二重人格的なところがあるかどうか?

・幼いころに父親と母親の夫婦関係をどのように感じていたか?

・また自身が結婚後にどのような夫や妻を演じやすいのか?

 

 

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(2)トライン(120度)

 

120度のトラインは、最も調和的で協力しやすいアスペクトです。

 

2つの天体の間にエネルギー交流が協力的・調和的に行われるため、お互いに良い効果を付与されます。ゆえに、吉座相、吉祥のアスペクト(ソフトなアスペクト/イージーなアスペクト)とも言われます。

 

 

太陽と月がトラインということは、2つの天体がとても調和的・協調的な関係にあるということです。

 

この人は、自分の父と母の関係を、しっくりくる調和的な夫婦と感じて育ったのでしょう。

 

また、社会で演じる公けの顔と、プライベートの内面的な本音や心情に、あまり軋轢やズレがありません

 

それぞれがちゃんと然るべき位置に区別されて収められており、かつ、調和的なのです。こういう人は、本人の関心や興味とそれほど違わない分野で適職を得やすい人です。公私の間でギャップやストレスが生まれにくいのです。

 

 

モノの感じ方、表現の仕方、公的生活と内的情緒のバランスが取れていて、安定性があり落ち着いて、素直な良い人柄である、ということを意味します。

(少なくとも、表の顔と裏の顔がジキルとハイドのように二重性・自己矛盾を感じさせる不気味さはありません)

こういうタイプの人は、組織にも収まりが良く、他人からも信頼されやすいでしょう。

 

また、夫と妻の関係も調和的・協力的なのですから、結婚後もそのような夫婦関係を自然と志向します。

 

実際に自分に対して調和的・協力的な伴侶を選びやすいのです。

 

ホロスコープ上で、太陽と月が厳密な120度のTrineを形成していなくても、同じ系列(四元素=エレメント)の星座サインにあれば、その太陽と月は実質的にはトラインの調和性を持っています。

 

 

例えば、太陽が蟹座6度にあり、月が魚座20度にある場合、2つの天体は厳密な120度からは14度もズレてはいますが、同じ「水のサイン」(蟹・蠍・魚)に属するため、実質的にはトラインの関係と見ても構わないのです。

 

そもそもTrineの調和性・協調性・親和性が何から生まれているか?というと、背景にある12サインのエレメントの同質性に原因があるのです。同じエレメントに属している天体はお互いに親和性によって調和的に結び付くのです。

 

このように書くと、トラインやセクスタイルといった調和座相だけあれば良いように思ってしまいますが、そんなに単純ではないのが占星術です。

 

ソフトなアスペクトは、天体同士が緩く調和的に結び付きますが、そこには緊迫感=問題意識=危機感がありません。

 

ということは、調和座相ばかりが多ければどうなるか?

 

穏やかでソフトな人柄だけど、強い「目的意識」何かを解決しようという「問題意識」(行動を起こさせる動機=モチベーション)が欠けた人物になってしまいます。

 

ソフトな座相しかないと、ゆるゆると惰性に流されるだけで、何の目的意識もなく、大事を成し遂げることなく一生が過ぎていくだけ・・そんな平凡で「ぬるま湯」に浸かったような人生になりかねないのが「調和座の落とし穴」です。

 

世の成功者たちのホロスコープには必ずと言っていいほど、有力な調和座困難なハードアスペクトが「等分」に含まれます。

 

彼らは、不調和座相が作り出す「緊迫感や問題意識」によって「強いモチベーション」を喚起され、感じている問題を解決して乗り越えようという気持ち(動機)に火が付きます。

 

そして、有力な調和座が示す「先天的な能力」をうまく用いて、不調和座の問題を1つ1つ解決していきます。

 

こうして乗り越えられた不調和座相は、いつまでもハードな意味を持ち続けるわけではなくて、本人にとっての安定した能力や経験値に転換していきます。乗り越えるまでは「試練」がありますが、乗り越えられれば逆に「強み」となります

 

また、不調和座相が絡む人の方が、困難において動じない「強さ」「粘り」があります

 

火事場の馬鹿力じゃないですが、いざ事が起きた非常時や逆境に陥っても、挽回して這い上がる胆力があるのはハード・アスペクトが効いている人の方です。

 

ソフトな調和座相しかない人は、いざ事が起こって緊急時・非常時に直面した時に、すぐに音を上げてギブアップして「すぐに楽な方に」逃げようとします。

 

事に取り組むだけの粘りや意志の強さが足りない傾向が見られます。それでは何事にも大成できません。

 

とは言え、個人天体の持つアスペクトが全部ハードな不調和座相ばかりではさすがに緊張やストレスが大きすぎて参ってしまうでしょう。試練や困難を乗り越えることが難しく挫折と失意ばかり、ということになりかねません。

 

個人の天体(太陽・月・水星・金星等)に対してある一定数のソフトなアスペクト(調和座)がある方が、精神的な安定性、先天的な能力という面では有利になります。

 

なので、有利なソフトアスペクトと、困難なハードアスペクト等分に含まれるような出生図は、能力的にもモチベーション的にも大成する可能性が高いホロスコープであると言えるのです。一代で成功した起業家・政治家・芸術家・スペシャリストのチャートは

往々にしてこのような構成が目立ちます。

 

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(3)スクエア(90度)

 

90度のsquareは、代表的な「ハード・アスペクト」(不調和座相)です。

 

180度のオポジションよりも激しく切迫感や危機感が強いのがスクエアの特徴です。不調和感は180度よりも強いです。

 

 

スクエアでは「何としても解決しなければならない」と感じさせる緊迫感・危機意識・問題意識が起こされます。そのために必ず「解決に向けたアクション」を起こさせる動因が生じます。

 

「半月」は、太陽と月がsquareの状態です。

 

太陽のエネルギーと月のエネルギーがぶつかり合って干渉します。2つの天体の関係が調和的でないからです。

 

太陽と月はお互いに折り合いが悪いことを意識しており、なんとかして問題を解消しようと切迫感や危機感を持ちます。これがsquareの作用です。

 

 

この人は、幼いころに自分の「父と母の関係」がうまくない、不調和だと感じていたようです。また親との縁も薄い傾向があるでしょう。

 

太陽は「月」を自分にとっては不調和(目障り)だと感じます。月も「太陽」をそう感じます。

 

お互いにやっていることや言ってることが気に食わないのです。

 

そして、そのような不調和な夫婦関係を、この人は無意識に再現しがちです。

 

理解が難しく、気に食わない夫婦関係・結婚生活になる相手を、なぜか無意識に選んでしまうのです。

 

また、社会的なペルソナと本人の内面的な本音・心情が、うまく折り合いません。

 

自分が本当にやりたいことや表現したいと感じている内心の声と、実際に公的に社会で演じている仕事上の役割は、チグハグで調和が取れていないのです。

 

ゆえに、ますますフラストレーションが溜まり、社会生活とプライベートの大きなズレにストレスを感じるようになるでしょう。

 

このアスペクトを持つ人は、体質的にもあまり強健ではありません。ストレスから体調を崩しやすいでしょう。

 

社会での顔と内心の本音がうまくかみ合っておらず、対立や自己矛盾を抱えているこの人は、自分の思っていることや本音の気持ちを素直に(調和的に)周りに表現して伝えることができません

 

ひねくれていて素直さがなく、何となく感じが悪い印象を与えたり、ジキルとハイドのような裏表の二面性を不気味に感じさせやすいのです。

 

以上のような、本人自身のひねくれた素直でない性格傾向が災いしてからか、

 

仕事においても、恋愛結婚においても、とにかく回り道や障害が多く、余計なことで自ら苦労する傾向があります。意識して性格改善を心がける必要があるタイプです。

 

 

(4)オポジション(180度)

 

180度のoppositも、squareに準じる不調和座相(ハード・アスペクト)です。2つの天体の間には「緊張感」が生まれます。

 

 

しかし、オポジションの場合は、属するサイン(星座)の関係から見ると、スクエアとは違ってわりと共通性や親和性があります。

 

4元素のうち、火と風、水と地は親和性が強いのですが、180度のエレメント関係はこの組み合わせになります。

 

また、反対側にあるハウス同士は、似たようなテーマを共有しつつ別の角度から探求するという関係性があります。

 

 

例えば、第3ハウスは「初等教育」や「身近な知り合いとのコミュニケーション」を管轄するハウスですが、対極にある第9ハウスは「高等教育」(大学での研究)や「留学や遠くとの交流」を管轄します。

 

どちらも「学ぶ」「交流」するというテーマを共有しつつ、それを異なる領域や視点から追求しているという「相補性」(ポラリティ=極性)があるのです。

 

 

第2ハウスは「現金での通常収入」「自由にできる可処分所得」を管轄しますが、対極にある第8ハウスは「本人が自由にできない資産」「遺産」「不動産や有価証券」を管轄しています。

 

どちらも「所有」「お金」「資産」という共通のテーマを持ちながら、それを全く異なる視点から補足し合っているのです。

 

 

180度の位置関係はホロスコープにおいて「最も離れた反対側の位置」です。

 

ゆえに、お互いの天体がお互い同士を意識せざるをえなくなることによって、もう一方の(対極の)視点から客観的に自分を視認し直す相補性を意識してバランスを取ろうとするという作用がオポジションにはあるのです。

 

その天体は、自分の在泊しているハウス・サインのテーマに従って働こうとする際に、必ず180度反対側にあるサインやハウスの内容をも「意識」しながら作用するようになります。

 

このようにして、お互いを「意識」せざるを得なくなるということから、

 

深いシャープな「問題意識」(目的意識・目標志向)ダイナミックな「緊張感やバランス感覚」が付随します。

 

深くて鋭い「気づき」を与えながら、異質な次元にまたがる問題を何とかして「統合」していこうする動機づけを与えるのです。

 

太陽と月がオポジションになる「満月」の場合はどうでしょうか?

 

「太陽」はいつも対極にいる「月」を客観的に意識しますし、月もまたそのように太陽を意識します。

 

お互いにどうしても気になる存在であり、自分に足りない要素、自分が見えていない側面を気付かせてくれる存在でもあります。120度トラインのような何でもスムーズに理解ができていつでも仲良し調和的という仲睦まじさの雰囲気はありません。

 

むしろ、お互いに永遠のライバルとも言える存在なのですが、どうにも気になって魅了されるのです。

 

「何だか私とは全く違っている=感覚が合わないけれど、不思議と惹かれてしまうという微妙な緊張感を抱えるのが、オポジション(満月)の太陽と月です。愛と憎のアンビバレントで複雑な恋愛模様が繰り広げられるのです。

 

 

ですから、不思議と惹き合う力は働くのですが、同時に反発感や違和感持ち続けます。

 

夫婦関係はまるで「家庭内野党」です。お互いに束縛はしない独立した対等な大人の関係です。

 

夫の見ているものと妻の見ているものは全然違います。

関心や性質も似ているようで本質的には違っていている

 

どこかでお互いを客観的に見ながら、自他の違いを違いとして認識しながら、距離を保ちつつ結婚生活を送る、というのが「満月」の特徴です。

 

スクエアと異なるのは、スクエアと違って正面から衝突や露骨な干渉はしません

そのような直接的な激しさや攻撃性はありませんが、

惹かれつつもどこか醒めた客観的視点でお互いの違いを眺めつつ意識し合う

という微妙な緊張感を保つのがオポジションの特徴です。

 

社会的な顔(表の顔)プライベートの内面心情(裏の顔)の関係はどうでしょうか?

 

これはかなりのギャップがあります。

公けの社会生活では、なかなか内面の深い心情や本音は見えこないでしょう。

しかも、自分が外部からどう見られるかを常に意識していますので

他人に隙を見せないように取り繕う意識が働きます。

 

そういう点では明らかに二面性が大きい人、表の顔と裏の顔のギャップが大きく、

自分の本音や感情を素直に表現することが不得意であるがゆえに、

やや屈折した(分かりにくい)印象を与える人です。

 

ただし、スクエアのようにまったく折り合いが無い、共通性が無いわけではなく、社会生活とプライベートをつなぐ共通の軸(テーマ)は本人の中にはあります。

 

社会生活で欠落している要素を プライベートの中で意識するという相補性が 本人の中では成り立っているのですが、その落差が大きいために、うまく統合することが難しく抱えるフラストレーションも少なくないでしょう。

 

 

(5)セクスタイル(60度)

 

トラインと同じく調和座標、ソフトなアスペクトですが、トラインよりも作用や意味はずっと弱いです。トラインほどには共通性・親和性がピッタリ感はありませんが、なんとなくスムーズに調和しやすい関係です。

 

 

ですので、トラインで書いてある内容がかなり薄められた感じで作用する、とおおむね考えればよいでしょう。

 

セクスタイルの親和性は、火と風、水と地というエレメント同士の近さ(相互転換のしやすさ)に由来します。

 

調和的な関係性というメリットを意識して2つの天体を活用しなければ、その作用の良さや利点は発揮されません。

 

(6)クィンカンクス(150度)

 

メジャー(主要)なアスペクトではありませんが、結構重要な働きをします。

 

150度離れた星座サイン同士には、「元素」「性」「活動性」などの同じ共通性が1つも存在しません

 

ゆえに、スクエアのように衝突するわけでもなく、トラインのように結び合う作用も起きません。

いわば幾何学でいう「ねじれの位置」のような関係です。

 

 

接点が何も無いので、お互いに肩すかしに合う関係です。

 

エネルギーの交流をしようとしても全く回線が繋がらないような関係です。何も化学反応が起きないのに、交流しようという気配だけが漂う「不毛な」アスペクトです。

 

よって、太陽と月の関係ならば、夫と妻の間は、よそよそしい冷めきった関係になるでしょう。お互いに無関心です。激しい火花を散らして喧嘩をするでもなく、いわゆる「仮面夫婦」的な感じでしょうか。

 

また、社会的な役割と内心の本音や心情の間にも、そもそも接点すらありません。接点を持とうとも考えてないでしょう。

 

このような太陽と月の関係を持つ人は、人生に対して醒めた感覚を持たざるを得ないのではないでしょうか。どことなく自分がイキイキとした人生の主人公として生きているという実感が乏しいのかもしれません。

 

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さて、満月に生まれたのか、新月に生まれたのか?というシンプルな問いですが

 

そこには「太陽」と「月」のアスペクト、12サイン、4元素といった

占星術の基本的な原理が深く関わっていることが分かるでしょう。