サイエンス誌に載った日本人研究者2017年度版 完成! | 医薬翻訳のアスカコーポレーション 社長ブログ

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大阪北浜、東京田町にオフィスを持つ医薬・バイオ分野の語学サービス会社 アスカコーポレーション社長 石岡映子のブログ。

「サイエンス誌に載った日本人研究者」シリーズができて10周年、第10号が出来上がった。今週開催される「第16回日本再生医療学会」でお披露目となる。

「Science Signaling」だけでなく、昨年から「Translational Medicine」も加わり、日本人研究者の頑張っている様子が伝わってくる。

 

昨年のBreakthrough of the Yearの日本語翻訳記事も紹介しており、日本人研究者による実験室でマウスを誕生させたトピックも取り上げられている。iPS細胞由来のマウスが生んだ次世代マウスのカラー写真はリアルそのもの。

 

昨年東京工業大学の大隅教授がオートファジーの仕組みの解明でノーベル賞を受賞されたが、本誌では、大隅教授とも縁の深い東京大学の水島昇教授へのインタビュー記事を掲載している。オートファジーがおおざっぱだから面白いのだそう。オートファジーは特定の侵入者や、狙いを定めて有害な物質を排除する仕組みを持っているものの、かなりは適当に分解しているのだそう。生命という現象は奥深い、と。

 

今回本誌については54件の研究と4コラムが掲載されている。
マラリアの研究をされている自治医大の松岡教授のコラムには、「若者の役割、先達の役割」というタイトルで、どうしたらマラリアで死ぬ人を助けられるか、という熱い思いで現地で患者を診察しながら感染を食い止めることに成功した話が紹介されている。若い人のチャレンジと、根気と寛大さを持つ師の存在が大きい、と。ラボ紹介では「志のないところに道は開けない」ともおっしゃっている。

 

その他の頁にもそうした格言のような言葉が多く見受けられる。「そうだ、海に行こう!」「“脳”学問のすゝめ」「研究は知の冒険」「自由な研究議論の大切さ」など、どのメッセージも魅力的だ。

ラットをくすぐるとポジティブな感情になる?とか、類人猿が空気を読む実験とか、興味深い研究が満載。

 

表紙はオートファジーをイメージしている。

スーパーサイエンスハイスクールと理科系大学の図書館に配られる。
是非ASCAに行って冊子を手に取ってみてほしい。