皆さま、こんにちは。
税理士・公認会計士(船戸明)の「本業ブログ」にようこそ。
誰しも、耳の痛いことは聞きたくないものでしょうか。何でも思ったことを言ってくれ、と社長に言われて、好きなことを話したら怒られた、なんて話もそこらじゅうにありそうです。
米国の大統領選挙で、民主党のバイデンさんが選挙戦から撤退しました。あまりにも遅すぎた判断に見えますが、そうなった要因は、周囲を側近で固め、耳の痛い意見を聞き入れなかったことも一因とする記事を読んだ記憶があります。
ネットで起きる誹謗中傷。開催中のパリ五輪についても、選手たちへの誹謗中傷が問題になっているという報道もありました。耳の痛い意見には耳を傾ける必要があるのでしょうが、誹謗中傷に耳を傾ける必要はありません。その違いは何か。敬意の有無だと私は思います。
「現在は米ノースカロライナ大学にいるポラス教授はかつて、世界の約2万人の従業員を対象にした調査で、従業員はリーダーからの敬意を感じることがコミットメント(約束)とエンゲージメント(働きがい)の向上につながると明らかにした。従業員はリーダーからの敬意を、評価や感謝、ビジョンの伝達などよりも重要だと認識している」(6月22日、日経『大機小機』)。
社長と従業員。発注元と下請け会社。そういった構造的に上下関係が生じやすい間柄で、いかに相手への敬意を持って接するか。仕事の場面以外でも同じでしょう。親と子、先輩と後輩、先生と生徒。ともすれば絶対的な力を持った人と、その人の庇護が必要な人との間では、どうしても上下の権力構造が内在します。力を持つほうが、他方への敬意を示せるかどうか。「子育ては親育て」と語った方がいましたが、その意識を常に持ち続ける必要があるのでしょう。
何度か書いていますが、相手と目を合わせて話すというのは、敬意の最低限のマナーだと思います。かつて、数人の懇親会で数時間を一緒に過ごしながら、一度も目を合わせてくれなかった社長がいました。きっと「こいつとは合わない」と感じていたのでしょう。やはり、その後、仕事は円滑に進みませんでした。
「ビジネスはパートナーとの協力を必要とする。その際、パートナーに対する敬意を持ち、互いに育てるように努めるべきである。それはビジネスの質を高め、持続性を高める道である」(同)。
先のコラムの結論は、ごくありふれた常識を書いているようにも思えます。でも、そういう常識を繰り返さないといけないくらい、敬意を持って接しているとは思えないケースがあふれているということの裏返しなのでしょう。あらゆる場面で、常に自分が育てられている。その感覚を持ち続けたいものです。
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