【対話】素朴な質問 | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

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皆さま、こんにちは。
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 会話をしていて、話がこんがらがってくると、「そもそも……」といって整理することはないでしょうか。不具合が出るたびに、パッチワークのように製品マニュアルを更新しているうちに、そもそもマニュアルを更新することが目的となってしまう。そういうとき、「そもそも何のためのマニュアルだっけ」と整理する問いは有効でしょう。

 素朴な質問も同じ効果があると思います。「「空はどこからどこまで?」「もし地球が四角かったらどうなるの?」。NHKラジオ第1放送の「子ども科学電話相談」には、素朴ながら思わずうなってしまう質問がたくさん寄せられる。番組は今年で放送開始から40年。私は天文・宇宙分野の回答者として、35年以上にわたり子どもたちの質問に答えてきた」(17日、日経)。

 そう寄稿していたのは、跡見学園女子大学兼任講師の国司真(くにしまこと)さんです。「子どもの発想の鋭さは、今も昔も変わらない」(同)。おそらく、子どもには「計算」がないからでしょう。こんな質問をしたらどう思われるか、とか。人に何かを聞くなんて恥ずかしい、とか。好奇心の絶対量が減ることはないはずですが、大人になるにつれ、それを上回る「社会や他者などに対する計算」が働くのだと思います。

 若い頃、プラネタリウムの解説員をしていたという国司さん。あるとき永六輔さんと知り合ったそうです。「ラジオのパーソナリティーとして数多くの番組に出演した永さんに教わったのは、相手の言葉に耳を傾ける真摯な姿勢だ」(同)。

 素朴な問い。真摯な姿勢。税理士に限らず、どんな仕事においても持っておかなければならない要素ではないでしょうか。

 交際費に関して、5,000円基準が1万円基準に引き上げられた。その細かな処理やルールを定めることも重要ですが、「そもそも交際費とは何か」とか「交際費は原則OKなのかダメなのか」と原点を見る視点も必要です。

 役員報酬は毎月同額じゃないとダメ。法人税法では当たり前の常識ですが、ではなぜ毎月同額である必要があるのか。数字に応じて変動するのが当然という考え方もあり得るのではないか。

 常識を疑う、というのは陳腐な表現ですが、時代によって変わる常識と、時代を通して変わらない常識があるのでしょう。後者は倫理観と言い換えてもよいのかもしれません。でなければ、今も孔子が読み続けられることはあり得ない。

「研究者ではない私の強みは、勉強が得意ではない子たちの気持ちが分かることだと思う。一つ一つステップを踏みながら、少しでも「わかった」という達成感を味わって、新たな興味関心につなげてもらいたい」(同)。

 そう、少しでも「わかった」と思ってもらうために。そのために、他者からの問いと自問自答が必要なのだと思います。




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