皆さま、こんにちは。
税理士・公認会計士(船戸明)の「本業ブログ」にようこそ。
今月の源泉徴収及び住民税の特別徴収から、1人あたり4万円の定額減税が始まりました。4万円が給付されるのではなく、本来徴収される税額が減少する、という形での減税です。つまり、いきなり手取りが4万円増えるわけではない。6月以降順次減税され、月々徴収される税額で減税しきれない場合は、来年に還付されるという制度です。
それでも、実際に制度が始まると「4万円減税」の話題が増えてきました。さらに、今月以降の給与明細には減税額が明記されます。減税された「気にさせる」環境は整ってきたと言っていいでしょう。
商魂たくましいというのか、定額減税を見込んだセールも始まったようです。「流通大手イオンは3日、減税額に合わせた税抜き4万円均一などのセールを開始。……均一セールは、イオンやイオンスタイルの約200店舗で30日まで実施。対象となったベッドやテレビなどが4万円で店舗の各売り場に並んだ」(3日、時事)。
テレビのニュースでは高級肉の安売りなども報じられていました。いや、肉を使ったカレーの報道だったのか。「東京・台東区のデパート「松屋浅草」でも、価格帯が高めの食品などを対象にセールを行っています。このうち、黒毛和牛のしゃぶしゃぶ用の肉や和牛を使ったレトルトカレーのセットは、1人あたりの減税額である4万円の「4」にちなんで、通常の2割引きの4000円で販売しています」(3日、NHK)。
そんなもの(失礼)をありがたがって買う人がいるのだろうか。いや、小売事業者だって、それなりの計算をしているはず。売れるという見込みがあるから、あるいは減税に引っかけて売上をつくりたいから、戦略を立てて商品を開発するのでしょう。
それで消費が喚起されるなら、定額減税も一定の効果があるのかもしれません。ただ、少なくとも私の周囲に、定額減税があるから何かを買うなどという人はいないような気がします。
仮に消費喚起効果があるとして、半年後、あるいは1年後まで定額減税のことを覚えている人がどれだけいるでしょうか。かつて社会保険労務士が、賞与を支給しても、従業員はそのときは感謝するけれど、1年後には忘れていたり、金額が減少すると不満を抱いたりすることが多いのです、と語っていました。
事程さように、もらったものへの感謝は、長続きしない。次にもらえなかったときへの不満に転化しやすい。ということで、定額減税は来年も継続と予想します。
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