【閃き】番頭で監査役 | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

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皆さま、こんにちは。
税理士・公認会計士(船戸明)の「本業ブログ」にようこそ。

 税理士として独立以来、家族に少し手伝ってもらう以外、事務所に人がいたことがありません。ずっと1人事務所です。人との関係でストレスを抱えたくないと言えばカッコいいのですが、単に人を雇う器量や度量がないだけのことでしょう。気楽さと規模は反比例しますが、気楽さと成長は両立すると信じています。

 なので、当然、「番頭」さんもいない。1週間ほど前に読んだ記事に、不思議な感覚を持ちました。「ダイハツ工業は25日、親会社のトヨタ自動車の小林耕士エグゼクティブフェローと、販売会社の愛知ダイハツの坪内孝暁社長が5月1日付で監査役に就任すると発表した。……小林氏は2018年にトヨタの副社長に就き、豊田章男社長(現会長)を支えた。20年から同社の「番頭」職を務め、23年にエグゼクティブフェローに就いた」(4月26日、日経)。

 番頭って、なんだろう。いや、税理士事務所で番頭さんなら分かりますが、トヨタほどの超特大企業にも番頭さんがいるのか。「番頭」職、って、まさか「取締役副社長番頭」なんて役職ではないだろう。

 小学館のデジタル大辞泉によれば、番頭とは、「商家などの使用人のかしら。営業・経理など、店のすべてを預かる者」。丁稚、手代、番頭と出世していった昔の商家時代の名残りなのでしょう。「手代として商売をよくさばき、勤務年数も長くなると番頭となりました。主人の指図に従って店の経営の全てを統率します」(千葉県立中央博物館ホームページより)。ただ、どれだけ説明を読んでも、トヨタと番頭はイメージが湧きません。

 今回の人事は、ダイハツの認証不正問題を受けてのものなのだとか。「同社は認証不正問題を受けて、「抜本的な再発防止策」の1つとして監査役の外部からの登用を掲げていた」(同)。確かに、2月9日、国土交通相に提出した報告書に「第三者の目線を取り込むために、取締役、又は監査役に外部の方を登用することで、リスク感度を高め、不正行為の予防・早期発見を図ります」との記述がありました。

 ダイハツから見れば、親会社のトヨタ自動車も、販売会社の愛知ダイハツも「外部」ということでしょうか。でも、広い目で見れば同じ自動車業界の「内部」です。もちろん、個人の資質は存じ上げませんが、業界の常識を非常識と指摘してくれるのかどうか。

 お金の匂いを消すこと――。かつて、税理士の仕事について、とある弁護士が語っていたことを思い出します。数字を扱い、納税などお金が動き、申告書を作成することで報酬を得ている税理士業。その生業で重要なことは、お金の匂いを消すことだと。いや、税理士業に限らず、生活していくうえでの教えと受け止めて意識してきました。

 実践できているかどうかはともかく、そういう想像を超えたところからの指摘をすることも、「外部」の人に求められる役割なのだと思います。




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