こんにちは。
税理士・公認会計士(船戸明)の「本業ブログ」にようこそ。
何か問題が起きた。新規事業の可否を判断する。既存事業の継続か撤退かを考える。いろいろな組織で、日々、何らかの意思決定が行われています。もちろん、その都度の勘定計算も必要ですが、常に立ち返る必要がある原点は、その組織がつくられた目的(存在意義)でしょう。
先日もある打ち合わせに出た際、「規約」を準備してくれた方がいました。方向性を話し合うときに、規約で謳われている組織の目的を常に振り返る必要があるだろうという意味合いで。確かに、その後、収支の話になった際には組織の目的を振り返りながらの議論になりました。個々の意見は違えど、大きな方向性を見失わないためにも、やはり常に目的や存在意義に立ち返る必要があるのだと思います。
少し大きな話として、昨日の日本経済新聞に、「グローバルサウスの推進役」としてブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカで構成されるBRICSについての寄稿が掲載されていました。2024年に、アルゼンチン、エジプト、エチオピア、イラン、アラブ首長国連邦、サウジアラビアの6か国が加わります。名称は「BRICSプラス」で、GDP規模は主要7か国(G7)を上回ることになるのだとか。
「民主主義を掲げる豊かな大国で構成するG7が国際秩序の維持を共通ビジョンとしているのに対して、BRICSプラスは共通の議題で歩調を合わせるどころか政治・経済システムすら異なる」(21日、日経)。つまり、規約の1条1項に謳われるような目的なり存在意義が共有できていないのだと。
思い出したのは1か月ほど前の記事でした。同様にBRICSのことを論じていて、「恨み」という共通項を指摘したコラムです。
「BRICS、またはグローバルサウス(南半球を中心とする途上国)はどのような枠組みを標榜しているのだろうか。もし自由貿易に積極的でない場合、世界最大の輸出大国である中国は参加国としてこの問題にどのような立場を取るのか。いずれの問いも適切な答えは見つからないはずだ。なぜなら、多様なBRICSの国を結びつけている共通点があるとすれば、それは「恨み」だからだ。西側の優位に対する怒り、過去の屈辱に対する鬱憤だ。そして、政治と人生を突き動かす力として、恨みはあまりにも過小評価されている」(8月22日付英FT誌コラムを日経が紹介)。
まさか、恨みという感情を規約に謳うわけではない。かといって、そういった感情は無視できるものではないという注意喚起です。正にも負にも、放たれるエネルギーは大きくなるという警鐘でしょう。
先日の顧問先訪問でも、立ち返る企業理念の制定と浸透について話をする機会がありました。何か迷ったときに、何を土台にして判断するのか。それがお金や忖度では、あまりに危うい。まして、恨みであってはならない。1人1人が自立して考えられる組織では、1丁目1番地の目的や存在意義がしっかり共有されているのではないでしょうか。
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