【閃き】大きな目、小さな目 | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

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こんにちは。
税理士・公認会計士(船戸明)の「本業ブログ」にようこそ。

 今日は新聞休刊日ですが、毎朝、日本経済新聞で最初に読むのは1面に掲載されている『春秋』というコラムです。

 13日は、ハワイの真珠湾攻撃を巡るツアーに参加した様子が紹介されていました。「湾に係留する戦艦ミズーリは日本の降伏文書調印式の舞台だ」(13日、日経)。全体として陽気な観光地気分、でも、やはり戦争です。

「ミズーリに突撃して死んだ隊員を、米兵が丁寧に水葬したエピソードにも一画を費やしていた。艦長が命じ、遺体を包む旭日旗は一晩で縫われたという。一連の展示は戦後70年を機に整えられたと後で知った」(同)。

 写真家の星野道夫さんが、アリューシャン列島のキスカについて書いています。アッツ島で2,638人が亡くなった2か月後の1943年7月29日、約5,500人の日本兵がキスカを脱出したのだとか。

 そのキスカに、当時の日本兵と米兵が集う。その場に立ち会った星野さんは書きました。「七十二歳になる菅野さんが、少しはにかみながら、頭を深々と下げて朝の挨拶をした。八十歳になるジョージもそれにこたえ、グッド・モーニングと手を上げている。菅野さんにも、ジョージにも、半世紀という歳月が流れていた。キスカの緑が目にしみる。気が付くと、二人は言葉の通じぬまま、ただ互いの肩を抱き合っていた」(『旅をする木』文春文庫、P.144)。

 その中で、キスカ脱出4日前の話も紹介されていました。「一機の米戦闘機が撃ち落された。駆けつけると、中で若き米少尉がすでに死んでいる。果敢な戦いをしたその兵士のために、そこに集まった五十人の日本兵が十字の墓標を建て、英語を刻んだのである。「青春と幸福を母国のために進んでささげた勇敢な英雄ここに眠る」」(同、P.146)。

 そして、墓標を建てた1人が、先の菅野さん。「手を合わせながら、「間もなく自分たちも死ぬ。あの世で一緒に語り合おう」と話しかけたという」(同)。

 戦争という大きな目。何があっても戦争をしてはいけない、という視点が大事なことは言うまでもないとして。

 戦争を生きた1人ひとりの人間という小さな目。その最前線には、単純ではない複雑な、葛藤にあふれた、人間の思いが凝縮されています。

 大きな目で語ること。でも、小さな目を丁寧に追いかけること。戦後生まれの人間にできることは、大きな目を忘れず、小さな目でいろんな思いを知ろうとすることではないかと考えています。




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