【閃き】人に勧めない | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

毎朝4時起き、スポーツと読書が大好きな税理士/公認会計士がお送りする税務・会計に関する本業ブログです。
トピックスやふとした疑問から、税務・会計の話題を毎日お届けします。

こんにちは。
税理士・公認会計士(船戸明)の「本業ブログ」にようこそ。

 朝早く起きている、という話をすると、ほぼ決まって「いいですね、私も早起きしたい」というコメントが返ってきます。その度に、私が返す言葉も同じ。「早く起きなくてもいいんじゃないですか」。「痩せている=美しい」と同じで、「早起きする=素晴らしい」という発想は、正しいのか。きっとそんなことはありません。体質や価値観や生活習慣は人それぞれ。何かを無謬の前提に置くと、拒食症や睡眠障害など、甚大な副作用を生んでしまうようにも思います。

 早起きも、ランニングも、自分はそうするというだけで、人に勧めることはありません。読んだ本も、自分が面白かったかどうかを紹介しますが、別の人が読んで面白いかどうかは保証できません。

 でも、今、人に勧めるかどうかは1つの指標になっているようです。「マーケティングの分野にはネットプロモータースコア(正味推奨率)という指標がある。自社製品のユーザーに「友達にこの製品をどの程度熱心に薦めますか」と10段階で尋ね、前向きな回答から否定的な回答の比率を差し引いて、ブランドへの忠誠や愛着を計測する手法だ」(6日、日経)。

 財務諸表という数字で業績が測定される企業にも、最近、数字以外の開示が求められています。その1つの分野が「人的資本」。当たり前ですが、人(従業員)を数字で測定することは不可能です。事故が起きると生涯報酬などが計算されて保証額算定に使われますが、まさか、その数字を会計的に使用することもできません。ただ、事業を担うのは人(従業員)。企業がどのように人を大事にしているのかは、その企業の将来性を計るために重要な視点なのです。

 先の正味推奨率を導入したのが石川県の北国フィナンシャルホールディングス。「「あなたの職場で働くことを、親しい友人や知人にどの程度お薦めしますか」と従業員に質問し、「とてもお薦め」という前向きの答えから、「絶対に薦めたくない」といったネガティブな答えを引き算した値がマイナス52%だった」(同)。

 100人に聞いたら、24人が「とてもお薦め」で、76人が「絶対に薦めたくない」ということでしょう。指標を導入したこともさることながら、この数字を公表したことも凄い。ネガティブな情報は隠さない。隠すことで、さらにネガティブな状況を招くということなのだと思います。

 厚労省によれば、新規大卒者の31%が3年で離職するのだとか。「会社説明会での「自由闊達な社風」という美辞麗句を信じて入社したのはいいが、現実の職場は上意下達が支配し、若手の発言権はゼロ。昭和ならそれでも「石の上にも三年」と我慢したが、今は選択肢が多くあり、早期退社が続出する」(同)。

 今日も早起きしました。引っ越しと確定申告の時期が重なり、眠くて仕方ありません。どう考えても、体に悪いと思います。ネガティブな情報は隠さない。これくらい書いておけば、「早起き=素晴らしい」という根拠のない前提を覆すことができるでしょうか。




【お知らせ】-------------------------------------

日刊「早起き税理士のスポーツ観戦記」配信中!
→ https://www.mag2.com/m/0001147393.html
週刊「週刊経理便」配信中!
→ https://www.mag2.com/m/0001689556.html
船戸明会計事務所ホームページ 更新中!
→ http://asayoji.fan.coocan.jp