【閃き】赤字の理由 | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

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 売上不振。過剰な設備投資。節度のない節税対策。損益構造を度外視した経費の支払い。赤字で「良いこと」があるとすれば納税しなくてよいことですが、納税しなければ、つまり黒字にならなければ現金もたまらない。次の一手も打ちようがなく、非常時を乗り切れるとも思えません。赤字が一時的なものか、恒常的なものかの把握も必要でしょう。

 昨年行なわれた東京五輪。映像はまったく見ませんでしたが、女子バスケットボールの活躍(銀メダル)は、ネットニュースでも話題になっていました。久しぶりにその話題を思い出したのは、17日の日本経済新聞に、バスケットボール協会の収支の話が掲載されたから。

「日本バスケットボール協会の2021年度決算が約5億8000万円の大幅な赤字になる見通しという。東京五輪で女子が快進撃で銀メダルを獲得、地元五輪で大成功を収めた競技団体の一つだけに、驚かされるニュースだった」(17日、日経)。

 まず驚かされるのは、おそらく3月決算であろう協会の決算が、今も確定していないこと。と思って協会のホームページを見たら違いました。6月決算です。公益財団法人ですから黒字になるのも変ですが、21年6月期は1.9億円、20年6月期は1500万円の赤字。それにしても5.8億円は大きいでしょう。

 スポーツ界が、概してお金に杜撰であり、特に五輪のような大きなお祭りになると、勘定が「どんぶり」どころか「おひつ」くらいになってしまう太っ腹は、誇っていいのでしょうか。でも、誇れるものは久しからず。財布も無尽蔵ではないはずです。

 知らなかったのですが、スポーツ界に特化した会計組織があるのだとか。「スポーツ界の体質を変えようと取り組むのが日本スポーツアカウンティング学会。公認会計士や税理士が参加する。国井隆代表理事は約30年前からスポーツ団体やリーグ、チーム、選手らの会計・税務コンサルティングやサポートを手掛けている」(同)。

 その代表曰く。「投資などで単年度の赤字は企業でもあります。大事なのは数字の意味をきちんと説明できること」(同)。22年6月期の5.8億円の赤字は、海外チームの招待経費などだそうです。前年度、21年6月時点でも、フローは1.9億円の赤字ですが、現金は6億円ほど。ただ、借入も5億円ありますから、コロナで痛んでいた財政(収入減少)に、五輪(経費増大)が追い打ちをかけた格好のように見えます。

 もちろん、数字の意味を説明できることは重要。もう1つ、その数字が5年後、10年後にどうなるかのビジョンも重要でしょう。コロナ禍からの回復は祈るばかりですが、その状況下で、どこまで真剣にビジョンを磨いていたかが問われるように思います。




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