【対話】高いと深い | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

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毎朝4時起き、スポーツと読書が大好きな税理士/公認会計士がお送りする税務・会計に関する本業ブログです。
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こんにちは。
大阪南船場の早起き税理士・公認会計士(船戸明)の
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 経常利益○億円クラブ。そんな呼称を聞いたことがあります。いつ、どこで、誰から、金額がいくらだったか。会計士の仕事をしていた時代か、税理士になってからか。重要な要素はすべて忘れました。が、企業が成長の階段をのぼり、一定の規模をクリアしていく重要性を説いていたのだと思います。

 調べてみると、「純利益1000億円クラブ」という表現がありました。もう6年以上も前の日本経済新聞記事で、2014年度に純利益1,000億円を超えた上場企業は61社だったのだとか。クラブとはいえ、何かの活動をしているわけではない(たぶん)。日経が公表数字から集計しただけでしょうが、日本に61社しかない企業を論じても仕方ありません。

 経営者は、別の経営者と話したり、情報交換ができる場を重視しているように思えます。ある方が言いました。売上や利益の数字の桁が違う経営者と話をすると、自分のまったく知らない景色が広がっていくと。売上1億円、10億円、100億円、1,000億円。同じ比率で増えるのはおかしいですが、従業員10人、100人、1,000人、1万人。見える景色が違ってきて当然です。

 ふと思いました。自分の知らない景色を求めて、上へ、上へと目指していく人がいるのだと。求めすぎて、宇宙に行ってしまう人もいる。1階では見えない景色が2階にある。2階では見えない景色が3階にあり、地球では見えない景色が宇宙にはあるのでしょう。

 少し前、行けるのなら宇宙に行きたいですか、と人に聞かれて、まったく行きたくありません、と即答しました。まったく、と強調語が出たことに、自分でも驚いたのですが、2階、3階と上がっていくことより、地下を掘ることに興味があります。

 作家は語りました。「人間の存在というのは二階建ての家だと僕は思ってるわけです。一階は人がみんなで集まってごはん食べたり、テレビ見たり、話したりするところです。二階は個室や寝室があって、そこに行って一人になって本読んだり、一人で音楽聴いたりする。そして、地下室というのがあって、ここは特別な場所でいろんなものが置いてある。日常的に使うことはないけれど、ときどき入っていって、なんかぼんやりしたりするんだけど、その地下室の下にはまた別の地下室があるというのが僕の意見なんです」(『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』文春文庫、P.105、村上春樹さん)。

 毎朝ブログを書くことも、地下にある何かを掘り当てること。コツコツ掘って、ちょっとした小さな発見をしては喜んで、日常生活に戻っていく。そして、生活の中で鉱脈を見つけて、また朝に掘っていく。でも、あくまで地下1階で、地下2階(「別の地下室」)には行っていません。ただ、上に行こうが、地下を掘ろうが、地上に戻ってこなければならない点は共通でしょう。

 富士山には登りましたが、ダイビングをしたことはありません。そもそも泳げないので、挑戦する気にもなれない。にも関わらず、「高い」より「深い」に興味があるのは不思議です。




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