【閃き】不適切と不正 | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

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 不適切、という言葉を頻繁に目にするようになったのはここ5年ほどでしょうか。最近の報道では、NHKの字幕問題があります。「NHKのBS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」が事実に基づかない不適切な字幕を放送した問題を巡り、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は14日、番組の制作過程などについて、NHKに対し文書で報告を求めることを決めた」(14日、共同)。

 不適切、という言葉が使われていますが、「取材に応じた男性が五輪反対デモに金をもらって参加したとする字幕が付いていたが、NHKは事実が確認できていなかった」(同)という記述が事実なら、単純に虚偽でしょう。

「水道管 出荷停止広がる 神東塗料の不適切行為で」(15日、日経)。ここでの「不適切行為」とはなんだったのだろう。そう思って本文を読むと、「神東塗料が水道管用の合成樹脂塗料を不正に取得していた疑惑で影響が広がっている」(同)と。であれば、タイトルも「不正」にすればいいと思うのですが、不適切という柔らかい言葉に逃げてしまうのはなぜなのでしょう。

 最近、言葉をオブラートに包むのが面倒と感じるようになってきました。もちろん、一定の信頼関係ができていることを前提として、違うと思ったことには違うと言い、おかしいと思うことにはおかしいと言う。はっきり言ったほうが、誤解がなく伝わるのではないかと。逆に、はっきり言ってもらったほうが、こちらの未熟も理解できます。

 税理士が登録しているメーリングリストがありますが、自身の発言に対して、バカですね、間違っています、と指摘されることがしばしば。実際、バカですし、間違っているのですから、そう指摘してもらえることはありがたいこと。そういう考えもありますがこの部分で理屈が通っておらずこういう理屈で考えたほうがいいのではないでしょうか、などと回りくどく言われるよりも、端的に指摘してもらったほうが、さらに考えるという行為が立ち上がるような気がします。

 不適切という表現を明確に認識したのは、2015年に起きた東芝の「不適切会計」問題でした。いつまで「不適切」会計と言い続けるのだろう。明らかに「不正」「粉飾」「虚偽」なのではないか。そう感じ続けていたことを覚えています。

 直接的な表現は、時に相手を傷つける。そう考えると、気を使う必要があるのは当然として、ただ、表現を緩めると、伝わるものも伝わりません。起きている事の重要性がぼやけてしまう。武器や兵器を装備品と言ってみても、武器は武器でしょう。

 本質を見誤ることのないように。不適切という言葉を見たときは、その合図が出たものだと認識するようにしています。




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