【QA】設立2期間と消費税 | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

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こんにちは。
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Q:資本金1000万円未満で会社を設立すれば、最初の2期間は消費税が免除されると聞きました。正しいでしょうか。


A:一部正しいですが、消費税法の改正に注意が必要です。


 まず、消費税の課税事業者となるかどうかは、その事業年度の2期前の課税売上高で判断します。


 話を分かりやすくするため、12月決算の会社で考えてみましょう。2012年12月期において、消費税の課税事業者となるかどうかは、2010年12月期の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかで判定します。この2期前の事業年度のことを「基準期間」と呼びます。


 基準期間の課税売上高が1,000万円以下の場合、小規模事業者ということで、実務上の手間を考慮し、消費税は課さないこととされています(事業者免税点制度)。


 2期前で考えるのは、消費税の課税事業者となるには、書類の保存や帳簿の整備など、それなりの準備が必要だということを考慮してのことだと考えられます。次のようなイメージでしょうか。


 2010年12月期 :設立
 2011年1月頃  :2010年12月期の売上が1,000万円超と確定
 2011年1~12月:消費税課税に備えた体制整備
 2012年1月~  :消費税課税事業者としての会計処理


 実際には、そんな「準備」などないのですが。。。


 それはともかく、2012年に会社を設立した場合、もちろん2010年に会社は存在していません。2011年も然り。つまり、2012年と2013年は2期前の基準期間がない状態ですね。その場合、判定の仕様がありませんので、消費税の課税事業者とはなりません。ただし、資本金が1000万円以上の場合は、この免除規定は適用されず、設立した2012年12月期から消費税の課税事業者となります。


 資本金が大きい場合、取引規模も大きいことが推測され、それゆえ消費税を免除するわけにはいかないということでしょうか。


 以上が原則的な考え方です。2期前、課税売上1000万円、資本金1000万円。この3つがキーワードです。



 注意が必要なのは、平成23年6月に行なわれた消費税法の改正です。法人の場合、前事業年度の開始から6か月間の課税売上高が1,000万円を超えた場合、その事業年度は課税事業者となることとなりました。


 簡単な例で考えてみます。


 2012年12月期:課税売上900万円。
 2013年12月期:課税売上1,500万円
 2014年12月期:2012年12月期が1,000万円以下のため、免税
 2015年12月期:2013年12月期が1,000万円超のため、課税


  ↓


 2012年12月期:課税売上900万円。
 2013年12月期:課税売上1,500万円
 2014年12月期:2012年12月期が1,000万円以下のため、免税
           ★ただし、2013年1-6月の課税売上が
            1,000万円超の場合、課税★
 2015年12月期:2013年12月期が1,000万円超のため、課税


 つまり、原則は2期前の課税売上で判定しますが、1期前の最初半年間の課税売上が1,000万円超の場合、残り半年で準備をして、その翌期から課税事業者になる、ということです。


 先ほど、そんな「準備」などない、と言いましたが、準備期間が半年もあれば十分という判断での課税強化と考えられます。平成25年1月以降に開始する事業年度から適用されます。



 なお、設立初年度などには注意すべき事項がありますが、長くなりましたので、いったんここで区切ります。


 原則は2期前。ただし、1期前の最初半年には要留意。そうおさえておいてください。



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