ここ2カ月ほど、仕事に追われ(ほんとです)、ブログを更新してませんでした。その間も世の中ではいろいろあって、あれこれ突っ込みを入れたくなったことも多かったのですが、考えをまとめる時間もなかなかとれず、日々に流されて今日にいたっております。全世界約20名の読者のみなさん、申し訳ないです。

そんな状況でも読書はしっかり楽しみました。通勤やすき間タイムの活用で、結構読めるのです。しかも、当たりの本だとなおさら。

今秋は当たりの本に恵まれ、結構充実してました。

宮部みゆきの「ソロモンの偽証」は「なぜこの作家はここまで中学生の心を描けるのだろう」ということに感動しつつI部~III部まで、それぞれを一気読み。大人のミステリー好きも大満足なのですが、ぜひ小学6年生~中学3年生くらいの子供たちに読んでほしいと思いました。立派な青春小説であると思います。小6の愚息にも一応薦めましたが、あっさり敵前逃亡されました。自他共に認める「本嫌い」の少年にはやはり無理か・・・。


最近読了した「その女アレックス」は今年の海外ミステリーナンバーワン評価でしたが、その名に恥じない内容だと思います。結構重いテーマが扱われているんだけど、それなりに爽快感が残りました。ただ、僕は「爽快感」を感じましたが、人によってはかなり異なる感想をもつでしょう。その感想の違いを誰かと議論してみたい、そんな感じを抱かせる本でした。


フリーマントルの「魂をなくした男」は3部作の最後であり、チャーリー・マフィンシリーズの(たぶん)最後を飾る著作なのかな、などと考えながら読み進めましたが、期待通り、スパイもの小説を堪能させていただきました。読み終わってから、改めてタイトルを読み返して、その意味の深さにちょっと感動(僕の解釈が間違っているのかもしれないけど)。そうだとしたら、もしかして続編もあるなーとか、続編があるとしたら次の展開はこうなるかなーとか、読後もそれなりに楽しんでおります。ただのハッピーエンドにしないところが、フリーマントルのうまさだと思います。


で、今は連城三紀彦。名前は知ってたたけど、読むのは今回が初めて。待望の復刻版とかという帯につられて買った短編集。『夜よ鼠たちのために』というタイトル。そういえばこの作家は亡くなったんだったなーと思ってなんとなく買ったのですが、いきなりやられました。初日で最初の3編を読んだだけなのですが、横山秀夫に通じるものを感じて、他の作品ももっと読みたい!と。ネットで検索したら絶版も多いけど、現行のものありそうなので、今日早速丸善本店に立ち寄り、棚に1冊だけ残っていた長編と追悼出版本の2冊を購入。この正月は連城作品を堪能しようと思います。



来年も良い本に恵まれますように!