パナソニックがiPhone向けの「AR」(拡張現実)技術を使ったアプリ
「AR Greeting」を提供して、3D VIERAの製品認知プロモーションの
展開を始めたようです。
http://panasonic.jp/viera/iphoneapp/promotion/
なんでも、3D VIERAの立体放送を気軽に体験できるアプリだそうで、
特定の四角い枠を出力してiPhoneの画面で覗き込むと、そこに3Dの
動物映像が現れるというもの。勿論実在はせず、画面内だけでのみ
実際にあるかのように表現される技術を使用したものです。
これはニュースサイトの文言ですが、曰く、
「iPhoneを使うような感度の高いユーザー層に、3D VIERAの立体放送
を気軽に体験できるアプリを提供して、製品認知の向上を狙う。」
そうです。
アプリのダウンロード目標数は3カ月で1万5000件で、当然そんなもの
を国内で提供するのは初めてだそうで、その後反応を見ながらアンド
ロイド端末への展開も検討していくと。
同時に渋谷の街頭でプロモーションを始めたということで、
つまり、3Dテレビ(最新の技術)に興味を持ってくれそうなターゲット
像が、30代前後の都心に住む若い男性で、情報感度が高く新技術に
興味が強いのでiPhoneも当然入手してしまい、さらにARを駆使した
最新プロモーションに興味を引かれると想定され、しかもそんな人が
渋谷あたりに良く来る(?)であろう、というような分かり易い
プロモーションなわけですね。
まあ尤も、渋谷で~というのはグーグルのプレイスもそうですが、
とにもかくにもメディアのパブリシティ露出をまず意識して少しでも
稼げそうなエリア、ということで最適だからなんでしょうけれど。。
さらに、VIERAのTVCMで起用した滝川クリステルのオリジナル動画も
配信するということで、製品自体からプロモーションも含めて一貫性
を持ってマーケティング展開をしているように見受けられます。
その意味では評価できますね。
ダウンロード数目標などは、iPhoneの普及率を考えればおそらく
建前みたいなもので、実際の狙いはパブリシティによる製品認知と
「iPhone」「AR」「twitter」「渋谷」などの人気キーワードを用いて
VIERA製品に先進的なイメージを付与してブランディングをしたい
のだと推察します。
撮影した画像をすぐツイッターに投稿できて~という付帯サービスは
もはや「新手のバリューセットか!」のような展開ぶりで、こちらは
ちょっと苦笑してしまいますが。
とにかく、パナソニックの製品プロモーションであるということと、
上記のキーワードを組み合わせることで、話題性は結構高いでしょう
し、下手な鉄砲数うちゃ当たるプロモーションとは違って、狙いも
方法もはっきり筋が通った良い展開だと感心してしまった次第です。
どうせなら、TVでやってるCMにも組み込んで、さらにこの先進ぶりを
アピールした方が効果は何倍にもなると思いますけどね。
ちなみに、何でまたこの件に興味を持ってしまったかというと、
iPhoneとARを使ったプロモーションと言う意味では、先日のFリーグ
でも例があって、「iButterfly」というアプリを用いて会場内の蝶を
捕まえる、ということをやっていたのが記憶にあるからです。
http://www.fleague.jp/fl/data/news/detail.jsp?id=20100804-00
ただ、似たような例でもそちらはちょっと趣旨というか目的がよく
分からず、単なる導入事例、以上。というだけのものである気が
しました。
充分な事前告知から会場での案内、先の例でいえば渋谷での
プロモーションなど、うまく効果を連動させるような仕組みの展開は
無く、そもそも何を狙いとしているのかが不明で、実際の会場では
アプリを使用しているような人は、少なくとも自分の目に見える範囲
では一人もいませんでした。
そりゃそうだ、と思わせる内容でしたし、残念でもありました。
それと違って、今回はうまくやれているのではないかなと思ったので
取り上げてみました。
実は、そもそも、「iPhoneに限定した」サービス展開があまり
好きでありません。
情報という意味では勿論話題にはなってますが、スマートフォン
自体がそもそも日本ではマダマダ。
普及率でいえば先日「日本ではまだ6%」という調査結果も出てい
た位で、また所有は都心に偏重。さらにそのうち、iPhoneを持って
いる人がどれ位いるのか、という視点で絞っていくと、、と細かく
みると、どこまでいってもまだ「一部の人」でしかないでしょう。
全体からみれば。
同じスマートフォンでも、例えソフトバンクでも、iPhoneを持って
いない人は当初から対象外とされてしまうわけで、その閉鎖的な
仕組みへの反感という感情を考えれば、また実際の利用者数の規模
を考えれば、決して効果的なプロモーションだとは思えません。
ただし、今回のパナソニックのように、先進性や技術を上手く
絡めて行えば、ブランドイメージの醸成としては位置付けを強く
アピールできるものになると思います。
「iPhone」が日本のスマートフォン市場で先行した分、その活用
が活きてくるわけです。
例えばこれがエクスぺリア、ではおそらく狙った効果は期待でき
なくなってしまうのだと思います。
先のFリーグの例でいえば、会場内にきてくれた顧客満足充実の
ためであれば、かなり閉鎖的な展開となりほとんど効果が無い
と思いますが、将来も含めたコンテンツとしてのブランディング
を意識していたのならば、試合というメインの商品価値の向上
は勿論、プロモーション展開に至るまでが緻密に計算され、認知
向上や表現内容に至るまでが上手く連動しているべきです。
考えて実行しているところと、そうでないところの差が出た
結果だと思います。
(勿論、Fリーグの方はさほど話題にはなりようがありません。)
何かとスマートフォンが話題になるなか、さらに広がる電子書籍
端末など、色々なツールが増える一方、利用者人や使用シーン、
タイミングなどの構成が益々複雑になる一方です。
市場の評価によっては一瞬で消えていってしまうような早い流れ
の中で、今後の市場がどうなっていくのか、かなり注目をしており
その中でiPhoneに限ったプロモーション展開というのはまた今後
変わっていくことにもなると思います。
普及したらどうなるのか、普及するのかしないのか、何年かかるの
かかからないのか。
色々な観点で考え出すと益々複雑で、でも面白いものですね。
今後も注意深く見守っていきたいと思います。