近畿市議会議長会第11回議長研修会で尼崎へ。

 

講師:演出家 宮本亞門 氏

「違うから面白い 違わないから素晴らしい」

 

 講師は東京・銀座生まれで、2004年には東洋人初の演出家としてオンブロードウェイにて「太平洋序曲」を上演された方。私たちの世代にとっては、「違いが分かる男」ですよね!

 

 

 ご両親が銀座で営まれていたカフェの向かいには劇場があり、小さなころから舞台を身近に感じてこられたそうです。俳優さんたちは、お茶を飲みながら世間話だけでなく悩みなども持ち込まれ、お母様はいつも話の聞き手だったとか。上演直前には、大きな役をなさる大物俳優に限ってデリケートで気弱になりやすく、お母様が勇気づけている姿をご覧になりながら演出家を志ざされました。

 

 演出家は常にリーダーですが、自身の考えを押し付けるだけでは決してよい舞台にはならず、違う意見を取り入れ、演者の皆さんと共に創り上げることで素晴らしいものができる。人にはそれぞれの役割がり、相手の立場を想像しながら認め合うことが大切だと。また、リーダーは場を和ませて個々の魅力を挽き出すという役割もあり、そのために自分をさらけ出すことも必要とのこと。

 

 そして大切にされている言葉として、世阿弥の「離見の見」を挙げられました。「離れた所から冷静に見る別の自分が必要であり、全体を見渡す視点を持つことが重要である」と。

「あなたは、何のためにその仕事をしているのか」と問われ、はたと自身を顧みました。大きな意味で物事をとらえ、原点に立ち返って目指すものを常に胸に持ち、日々行動しなければなりませんね。

 

 

 今回、私は議長の代理で出席しましたが、近畿市議会議長会として滋賀・奈良・京都・和歌山・大阪・兵庫と約110もの市町から多くの議長が集結。リーダーとして行動することの難しさや生き方そのものについても深く学べ、この素晴らしいお話をそれぞれの議会に持ち帰ることができることを嬉しく思います。ありがとうございました。

 

 また、企画運営にご尽力いただいた皆様に、心より感謝申し上げます。