私はつぐ。ゲーム好きのお兄さんだ。
---まだおっさんには至ってないと思いたい
幼少期の様々なフラストレーションを
大人になった今、発散しながら生きている遊び人(陰キャ)である。
ある日、いつも通りSteamでゲームをWindowsショッピングしてる中、
一点のタイトルに目を止めた。
「PowerWash Simulator...___シミュレータ系か。」
実はシミュレータ系のゲームに対して印象がよくない。
なんというか、「〇〇 Simulator」と名乗るものは
B級クオリティーの雰囲気を感じてしまう。
あと、大学の研究で物理シミュレーションを一生やっていたので
「シミュレーション」という言葉が「宿題」とか「納期」とか
「なんとなく嫌な響きの言葉」にカテゴライズしてしまっているのだ。
そんなこんなでネガティブ寄りにストアページを見たところ...
なにやら高圧洗浄機で汚れを取るだけのゲームらしい。
そのとき、突然脳内に走るフラッシュバック。
子供の頃の自分。テレビにはアニマックスでドラゴンボール。
大事な場面でのCM。おいおいク〇リン死んじゃったよ。
トイレ戻りに見たのはテレビショッピング。
販売員がキッチンで高圧洗浄機を構えて、、、
なんとコンロの油汚れがキレイに洗い流されているではないか!
なにこれ!気持ち良ッ!
高圧洗浄機よろしくつぐ少年の購買欲も激しく噴き出していた。
---ドバドバドバ...ブシューーーッ!
ハッ!
気が付けばすでにゲーム購入は完了していた。
大人は欲しければすぐ買える......最高だぜ。
すぐさまダウンロード。
容量は少ないので時間は短いはずだが
あの日のCMと同じように果てしなく長く感じたのであった。
ついにゲームを開始。まずは車の洗浄のようだ。
水たまりに突っ込んだシベリアンハスキーの如くドロッドロな車と
私の手には洗浄機・・・。
いざ洗浄!くらえデ〇ビーームッ!(放水)
---
あぁ・・・。あの頃の俺はこれが欲しかったんだ・・・。
洗った箇所から泥が形も残さず消え去っている。
水に濡れた車体はツヤツヤと輝き、こちらに微笑んでいるように見える。
いやこれは反射した俺の顔だった。
車の汚れを一か所残らず駆逐すると任務完了。
年末掃除後のような達成感のそよ風が心の草原に吹き抜ける。
泥が落ち、生まれたままの姿を見せた車も、
あまりの輝きに嬉しさを通り越し、恥じらいを感じているかのようだ。
ふふ、愛いやつめ。
車の後も住宅や消防車と、様々なターゲットの汚れを落としていった。
一番やりがいがあるのはやはり車体や鉄板など金属の洗浄だ。
金属には泥のような簡単に落ちる汚れの他に
サビが付いている場合がある。
このサビが弱い水圧だと全然落ちない。
なので放水範囲を絞ってより高圧でゴリゴリ削り落とすのだ。
そののちに現れるのはピッッカピカの金ッ属ッ光ッ沢ッ。
汚れた姿からは想像できなかったその輝きに私は頬を赤らめるのであった。
それはまるで同級生の女子がある日突然前髪を上げてきて
急にかわいく見えた時のようである。知らんけど。
このゲームには複雑な要素が一切無かった。
汚れを見つけ、洗い落とすだけ。
「そこに汚れがあったから。」と言わんばかりに
最後の景色に胸を膨らませ、ひたむきに洗い続けるだけだ。
日中の仕事で顧客要望や社内とのすりあわせ、
課題への対応など複雑なあれやこれを何とかこなした脳みそには
これくらい単純な作業が高級マッサージになるのだ。
脳みそもシワが伸びてピッカピカになっているに違いない。
実際にこのゲームがメンタル改善に効くとオックスフォード大学で研究発表があったらしい。
それを聞いてイギリスにも同じように苦労している人々が居るのだなぁと
極東から互いの健闘を祈らずにはいられない。
一度始めると止め時が見つけられないのが嬉しい悲鳴だが、
仕事終わりにYoutubeを流しながら汚れを落とし続けた私は
ダウンロードコンテンツもすべて制覇してしまった。
ついでに会社でチームメンバーにこのゲームの推薦もしてきた。
水洗だけに。
そして今、私はデータを初期化し、
再び汚れた世界を片っ端から洗浄している。
最後に、もしこれから”洗浄人(ダートファインダー)”となる人が生まれた時のために
1つだけ洗浄のコツを記載しておく。
いくら高圧洗浄といえど水流を小刻みに動かしてもなかなか汚れは落ちない。
禅の心でじっくりと汚れが落ちたのを確認しながら洗うのだ。
つまり
荒(アラ)い洗(アラ)い方はダメってこと!
・・・・・・。
汚れも話も"おちない"ですねっと。
お後がよろしいようで。
追記:もうすぐ次回作が出るらしい。
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浅草卓上遊戯:つぐ



















