齢55歳にして自主出版(自費は投じていないPODですので、敢えて「自主」としました)で1冊仕上げました。思えば「小説」だなんてかっこいいものではなくて「物語」を仕上げたかったんだと思います。

 

 2021年、筑摩書房太宰治賞というのを見つけて、それまでブログで自己満足気に書き綴っていた「ARE YOU WIMPY?」という物語を急ピッチでまとめて「気吹き(IBUKI)」として応募したら一次選考を通って大喜びしたのもつかの間、結局二次には残れず今度は意気消沈したものの、時間が経つにつれて徐々に何だか小さな可能性みたいなものを感じて少し欲が出てしまいました。

 

 それで、いずれは自費出版だけでもしたいなと考えて、とりあえず応募した作品を読み直してみると、いろいろと手直ししたい表現や矛盾なんかが明らかになって、そういった部分を訂正したり、全体的な構成なんかも大幅に変更したりして過ごしていると、たまたまアマゾンのPODというシステムに出会ったというわけなのです。

 

 新書版で1200円というのは高いけれど、これはアマゾンの印刷費用と販売手数料が大部分を占めていて、実際に私の手元に入るのは数十円。それでも、試作品が手元に届いた時はものすごく感動したものです。

 

 これまでいろいろと妄想を膨らませて、自叙伝の他にSFなんかも構想があるんだけど、先ずはこの作品を少しずつでも手直し(毎回手数料が\5千かかるんですよ・・・)を繰り返して納得いくものに完成させたいと願っているので、次作はまだまだ先のことだと思います。

 

・・・で、何でこんなことを自分はやってんだろう・・・と考えたときに、1つ目に映画の影響があって、実際に「神の息吹」を書いているときはいちいち映画を作っている気分でボキャブラ地獄の中でもがきながら表現しておりました。それからアメリカの作家オー・ヘンリーの「賢者の贈り物」と「20年後」、そしてたがみよしひさ先生の漫画「フェダーイン」が強烈に私の脳裏に焼き付いていて、自分でもあんなやさしい物語、かっこいい物語が書きたいなと漠然と思ってきたのだと認識できました。

 

 思えば、遠く40年近く前、10歳違いの腹違いの姉がどこからか(多分駅のゴミ箱)調達してきた雑誌を私に放る様にしてくれたのが出会いでした。

 

 普段あまり漫画を読まなかった・・・というより漫画を買うお金がなかった私は、そうやって姉が時々持ってきてくれる漫画が楽しみではありましたが、特に「フェダーイン」という読み切り漫画にはいたく感動して、その雑誌を廃棄する際には「フェダーイン」だけ切り取っていまだに大切に保管し続けているというわけです。

 

 

 

 高校生の時には時給300円のアルバイトを始めたので、「少年ビッグ」(後のヤングサンデー)をしばらくの間購読していて、漫画原作募集イベントに応募して「フレッシュインパクト賞」をいただき、漠然と物語を書く仕事も楽しそうだなと思いつつも、日々の喧騒と忙しない時間に圧され流され、転職や転居を繰り返し、40歳で千葉県の教員になった時には映画を中心とした娯楽を楽しむだけの側になっておりました。

 

 映画と言えば、若いころはハリウッド映画専門だった私も、最近では邦画にも興味があって、結構劇場にも見に行ったりしているのですが、それはやはりVFXによるリアルな映像に魅せられたからに他ありません。

 

 実は映画が大好きで若いころは主にハリウッド映画を鑑賞しておりましたが、昨今のVFX技術の進化に伴いダイナミックな作品が多く登場してきたので、かつては邦画といえば「男はつらいよ」が専門だった私も劇場へ足を運ぶことが多くなりました。

 

 私が今回まとめた稚拙な物語も、そうした作品の影響を受けて、自分でこんな映画を撮って平和を当たり前だと思っていたり、最近増えてきた「自分だけが不幸だ」と思っている人々に何かを訴えられたらと考えて、映画化を妄想しながら書き綴ったものになります。

 

 話は変わりますが、昨年勃発したロシアによるウクライナ侵攻のニュースを目にする度、私が留学中に体験したユーゴ紛争を思い起こして、プーチン大統領が、当時のセルビア大統領ミロシェビッチに重なって見えることがあります。

 

 PODで発信したいと考えたのもウクライナ侵攻のニュースが毎日報じられる今こそユーゴ紛争を思い起こしてもらいたいと考えたからです。

 

 そこで、普段何の事前情報も復習もせず「嗚呼、素晴らしい映画だった」と心に残っている作品を手掛けている方がどなたなのか調べてみたところ、その全てにおいて山崎先生が監督を担われていることを知ったのです。

 

 若いころから大好きだった「男はつらいよ」つながりで拝見した、みつお(吉岡秀隆さん)出演の「三丁目の夕日」シリーズでは古き良き時代の日本の情景の再現にも勿論感激しましたが、茶川さんと父親とのエピソードが自分の亡父とつながって号泣したのを覚えております。我が愚かなる父親も、表向きは虐待クソ親父でしたが、まぁ心の中ではあの人らしい愛し方をしてたのだろうと結論づけたりして・・・ま、この辺は次回作に書いているところです。

 

 また、世代的に元々零戦や大和が大好物だったので迷わず足を運んだ「永遠の0」と「アルキメデスの大戦」でもストーリーの展開に全身が震えてしまうほど感動したものです。

 

 特に「永遠の0」で宮部が特攻するシーンでは、物語の冒頭からの様々な出来事が一気にリンクして、思わず「うわ~」と声を上げてしまいましたし、「アルキメデスの大戦」では巨大戦艦を建造する背景について田中泯さんが説明するシーンに震えが止まりませんでした。(余談ですがあの年の日本アカデミー賞主演男優賞は菅田将暉さんだと信じておりましたので少々残念でした。確か御本人も夜のラジオで悔しがっていたような・・・)

 

 これは以前書いたかもしれませんが、多分意図的ではないのでしょうけど、「永遠の0」と「海賊と呼ばれた男」でのキャスティングで岡田准一さんと染谷将太さんの立場(生き残り)が逆転しているあたりにもニヤリとしてしまいました。

 あるいは「永遠の0」の宮部の特攻方法が実在の富安俊助さんの攻撃そのものであると後で知り、同じところを何度も何度も再生するという暴挙にまで手を出しましたw

 怒られるかもしれないけど、マスタングもカッコ良かったな~www

 

 さて、話は「フェダーイン」に戻しますが、今回の仕儀にてネット検索していたら何と続編が存在していて、欲しくて欲しくてたまらなくなり探しまくっても電子版しかみつからず。仕方なくメルカリで見つけた中古の三部作を最近ポチって到着を待っているところなのです。ワクワクしています。

 ←到着しましたぁ!

 

※ぬぅ・・・そんな結末を迎えていたなんて・・・

 

 更にネット検索していく過程で、たがみ先生が療養中であることや、何と小山田いく先生が実のお兄様だったということも知りました!

 

 実は、私、高2の時に友人数人と「バードウォッチング同好会」というのを設立して活動していたのですが、最初は「映画同好会」を作ろうと持ち掛けたところ、学校から「放送部がある」と一蹴され、計画の中心になっていた仲間の一人が「ウッドノート」という漫画本を持ってきて「バードウォッチングってやってみん?」という流れになってしまったという過程があったのです。若気の至で、「まぁ、仲間とじゃれ合う口実がつくれればいいや」くらいのノリだったので思いっきり流された挙句会長まで担って、いざ始めてみたら面白くて、学校祭の発表で表彰されたり、大学に進学してからも生物部内に「鳥班」を作って活動し同様に学園祭で表彰を受けたりと、何だか私の人生で一番の盛り上がりを見せることになってしまうという。いずれにしても良い経験となりました。

 

さてさて、話がまとまらなくなちゃったのですが、要するに山崎先生とたがみ先生には是非とも私の“処女作”を可能であれば読んでいただきたいと思って・・・何と大胆にも自分で5冊ほど購入してお二人に一方的にお渡ししたいと動き始め・・・山崎先生には株式会社白組宛てで送り付けることができた(もしかしたら返却されちゃうかも)のですが、たがみ先生については調べても調べても送り先が見つけられず不完全燃焼な今があります。

 せっかく本としてまとめることが叶ったので、納得いく完成度に至ったら国会図書館にも寄贈納本も果たす予定です。まずはこの物語が真の完成の日を迎えたら正式に第2作目に着手したいと考えています。

 

 ありがた迷惑かもしれません・・・いやただの迷惑なのでしょうが、山崎先生、たがみ先生、本当にありがとうございました。