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PF 「 私を動かしているバッテリーは、もう残量がないようです。
ここでのお話が最後になります。
あなたがいらっしゃらなければ、私はあの崩れた駅の中でひとり、
機能停止していたことでしょう。
ほんの少しの間でしたが、ご一緒できて、とてもうれしかった・・・・・・
ああ、もう残り三十七秒で、私の活動は停止してしまいます。
データベースの中には、あなたにお伝えしなければいけないと
思えることがたくさんあるのですが、
ひとつだけ・・・・・・
最後の最後で、あなたにお会いできてよかったです。
一緒に見た朝焼けやあのおかしな落書きのこと
ああ、そういえば、あなた様のお名前を
お聞きするのを忘れていました。
ありがとう。」
そして、PFのバッテリーは完全に切れてしまったのか、
もう何も話さなくなってしまいました・・・
セトは、そっとPFを抱きしめて、つぶやきました。
セト 「 ・・・ぼくの名前は、セト、だよ。」
その時、PFから、1本のネジが落ちてきて・・・
セトは、「PFのネジ」 を手に入れました。
PFと二人で一緒に探索した、あの誰もいない地下商店街の
風景が、セトの頭の中でフラッシュバックして・・・
セトは、ひとり泣いていました・・・
夢を見た
聞き覚えのある声が、私を呼んでいる
私が歩くたび、
心配そうに、楽しそうに、話しかけてくれる
あの声
一緒に見た、赤い空
強い風に飛んでいく、たくさんの雲
二人でいた、宝石のような、限定された時間
また、一緒にいたい、などどという願いは、
永久にかなわないことはわかっている。
それでも、生きているものは、生き続けなければならない。
死んだものは、土の中で、ただ・・・ 死に続ける。
これが、いわゆる、一期一会ってことですね・・・
人やものとの出会いと別れ・・・
その出会いが、自分の中で大切なものであれば、あるほど、
別れの時は、切なく、悲しいものですね・・・
いつか、必ず訪れる、別れの時・・・
また、ひとりぼっちになったとしても・・・
それでも、人は生き続けていかなければいけない・・・
だから、その時の、その瞬間の、出会いは、
大切にしなければいけないのだと思いました。
次の目的は、「ハシゴから地上を目指せ」 です。
TO BE CONTINUED ・・・