久しぶりにテレビドラマを見てしまいました。

偶然見た第5話、リキが故郷北海道に帰る回に引き込まれ。「代理出産」をこんな風に描くなんて凄いと思ったら、原作は桐野夏生で納得。


石橋静河の迷いながらもクールでいざとなったら、きっちりと主張する姿は、代理母というある意味無謀な選択をする大石理紀(リキ)にぴったりとハマっていました。


自分の才能を持つ遺伝子を遺したい夫のエゴ、夫の子を産めない妻のつらさ、東京に出てきたものの厳しい格差に行き詰まり代理母となる女。それぞれの思惑、エゴ、苦しみがぶつかり合います。その後半の重苦しさは、桐野さんらしい雰囲気で、脚本の長田さんの力。


最後は双子の息子は残し、娘を連れてリキが姿を消すというところでドラマ(原作も)は終わります。男女の双子で娘を連れて行くという所に前向きな意味があるのでしょうか。リキは、女に生まれるのって悪くないから、一緒に頑張ろう!と娘に語りかけていました。つわり、帝王切開の出産、産後ウツにあんなに苦しんだのに、娘を抱っこ紐で抱えたリキの顔は晴れやか。


その後、双子じゃなかったらどうなるの?親権は?生活できる?基が追ってくる?或いは子どもたちの将来にとってこれは幸せ?

疑問は尽きないけれど、桐野作品には珍しく(?)晴れやかな終わり方、代理母を安易に選択したのは問題だけれど、産む性である女性に対してのエールなのかなと思えました。








桐野夏生さんのインタビューはこちら