検診を終えて、3回目の武蔵美「若林奮展」。現代美術の彫刻家、遠い彼方からその名前がふーっとやって来た。ジンジンとした蝉時雨をバックグラウンドミュージックにして夕暮れ時に「森のはずれドローイング」2冊のスケッチブックススライドショーをひんやりとした館内でぼーっと見る。32年振りに復元された《所有・雰囲気・振動ー森のはずれ》「鉄の部屋」はその作業段階、本当に大変だったんだなぁと、美術大学の美術館としての姿勢を讃えたい。ここでで作られた作品という美術館の矜持がある。

(こちらは撮影不可)

四方を鉛のグレーの壁に囲まれ、中に立ち入るのは予約制。入口のところから覗くと、壁面一杯にドローイング。外にありドローイングとの連続制が感じられる。床に置かれた白く細長いオブジェも部屋の出前から奥のドローイングの四角い白いオブジェへと連なる。部屋の中から外へのまなざし、意識。空間や自然と今ある「私」との関係性を感じる。資料篇のコーナーも見応えがありました。


もう一点の大作、エントランスの展示空間に並ぶ《Daisy Ⅰ》この空間、5月に見た戸谷成雄《森Ⅸ》も展示されたところ。とても良い雰囲気の空間です。彫刻の表面、境界への考え方に共通するものもある二人。森とDaisyの高さも似ているなぁ。と、凡庸な人間ながらの楽しみ方もあるのでした。(笑)

戸谷さんの木、若林さんの鉄と素材の違いはあれど両者とも彫刻の存在感の強さが半端ない。




毎週、若林さんの作品にひっそり会いに行く楽しみ。いよいよ来週で最後だなぁ。

猫ちゃんの像、入口の守衛さんのいる所の脇にいました。




暑い1日だったし、検診で体中の水分が抜けてしまったせいか、見終わって飲んだペットボトルの冷たいお茶が心底美味しかった…