皆様、いかがお過ごしだったのでしょうか。
私は例年通り仕事に勤しんでおりました。
このような時期に、仕事があることに感謝しつつも、いつもなら、歌舞伎が共にあったのになぁ…と思いながら過ごしていました。

やっと仕事も一段落したので、休みを頂き歌舞伎座を見に出かけました。歌舞伎座を見るだけでも何だか嬉しいのだ‼️わが心の歌舞伎座照れ

まずは銀座駅で降りて、久しぶりに銀座の街を歩きます。清々しい青空、四丁目の交差点を渡ったら、竹葉亭の戸が開いていて、小さな台に消毒液と銀座百店がある…お昼少し前、はい、そのまま店内に入ってしまいました。
2階のお座敷は、まだ誰もいない。店員さんの話す声だけ。窓辺の席で和光の時計台を簾越しにながめつつ、うな丼を頂きました。
うなぎもだけれど、きも吸もとても美味しい。久しぶりにゆったりとした気持ちになりました。

さて、歌舞伎座へ向かいましょう。まずは歌舞伎稲荷神社にお参り。また、歌舞伎を見に来られますように。願うことは、それだけ。

そして、喫茶檜の入口から、歌舞伎座の中へ。
おぉ、これが噂のお土産物。歌舞伎揚げと何だか居どころをなくして困り果てている感じ(笑)の雛あられ、3月公演のスヌーピーファイル等を買いました。お腹一杯でしたが、メニューに歌舞伎座モナカアイスを見つけたのでやはり喫茶に入ることにしました。グラスの鳳凰マークすら懐かしいよ。お土産コーナーをぐるっと回ったけれど、歌舞伎座の匂いは…。武田百合子さんが「豆が煮えるような匂い」と言ったあの匂いや、人々が行き交うロビーの匂いはしません。白いカーテンの向こうは、やはりまだ少し先の世界だなぁと思い外に出たら、轟音とともにみんながスマホを掲げている❗一瞬の事でした。そうブルーインパルス。飛行機はあっという間にビルの向こうに消えました。美しい飛行機雲が5本、晴れ渡った空に残されていました。

予期していないことだったので、暫し呆気にとられ、あぁ‼️と思って。そしたら何だか嬉しくなったのです。歌舞伎座の側で見られたと言うことが。医療に従事する方々への感謝ですが、私も嬉しかった、みんなで頑張ろうとシンプルにそう思いました。

それから歌舞伎座の裏に周り、歌舞伎そばもテイクアウトを始めていました。ぐるっと一周して木挽広場へ。お店はくるりと一まとまりになっちゃって、ちょっと寂しい感じでした。歌舞伎関係の本やDVD、演劇界のある辺りを見ていたら、近くのモニターから、何だか聞き覚えのある声が…。七世芝翫でした。しかも、立役、手代忠七。お熊は玉三郎。新三は?と見ていたら、勘九郎時代の勘三郎でした。今見ると、何と贅沢なという感じです。更にみていると、紙屋丁稚長松に、中村優太‼爆笑長松を見る芝翫さんの目が優しく嬉しそうなこと。やんちゃな目元、雰囲気はやはり福助さん子どもの頃に似ている。そして福助さんの声と芝翫さんの声もやはり似ている…永代橋では忠七を足蹴にする新三の勘三郎…やりにくくないものだろうか。それにしても芝翫の忠七の柔らかな雰囲気が何とも言えず素晴らしいなどと思って見ていたら、あれ⁉️乗物町の親分、弥太五郎源七は仁左衛門‼️で、また離れられなくなり。たまたま流れていた髪結新三を見世先から永代橋まで見てしまいました。(平成12年4月、歌舞伎座の公演でした。)

勝手にこれは、芝翫さんと歌舞伎稲荷様のプレゼントと思うことにしました。あっという間のブルーインパルスもね。ウインク

幸せな良い一日でありました。