義経腰越状「五斗三番叟」

この話も義経×頼朝に名を借りているけれど、豊臣家、秀頼×家康のお話ということで昼の「醍醐の花見」とも繋がっているのですね。

腰越は、義経が頼朝に会うことが叶わずにいた満福寺というお寺があった鎌倉市内の地名らしい。満福寺で頼朝宛に書いた手紙だから、腰越状。ウィキペディアは、何でも教えてくれます。書きとめれば、少しは記憶に残るかしら。(笑)

さて、今回の芝翫@義経は、初役。立派であまり遊興にうつつは抜かさないような気もするけれど、亀井六郎(猿之助)の諫言は聞かなさそう。

また、白鸚さんが演じた五斗兵衛は、ゴトかと思っていたら、この役のモデルとなった後藤又兵衛の「ゴトウ」とお酒を五斗(ゴト)も飲む大酒呑みを掛けているので、ゴトとゴトウの間くらいの発音をするのが正しいのだそう。なるほど、でもゴトウに聞こえた気がします。

まず、亀井六郎(猿之助)が、頭巾を被った若衆姿で雀踊りの奴と共に登場。この奴たち、風の盆のように編笠で顔が見えない。後半の竹田奴になる人たちがやっているのだろうか。猿之助@亀井六郎の張りのある動き、ぴちっと力足の親指が常に立っている❗真似したら、絶対に足がつりそうです。

亀井の諫言を聞き入れない義経に、歌六@泉三郎が五斗兵衛を軍師に招くことを勧め、最初は超真面目に五斗兵衛は登場したのに、悪者兄弟の
伊達次郎(男女蔵)と錦戸太郎(錦吾)に、しつこ~く
酒を勧められ、遂に飲み出してしまい、そしたら止まらなくなってしまってというのは魚屋宗五郎と同じような感じだなぁ。

ゴトゥさん、色々面白いことを言ってました。「五献、六献は目の下をくぐるようなもの」とか…。

それから、変わった飲み方をしてみましょうと言って「滝飲み」を始めます。
朱塗の大きな盃で飲み始めると、まさに飲んでる最中にその盃にお酒を注いでしまう…大変なことになりそうだと思ったら、もうすっかりただの酔っ払い。

そこへ泉三郎が現れて、義経にお目通りとなるけれど、この泥酔ぶりに義経の怒りを買い…。朱塗の盃を顔に被ったまま、一人寝込んでしまいます。

そこへ竹田奴たちが現れます。阿古屋だけではないんだ竹田奴って私も思った‼2ヶ月続けて竹田奴って珍しいのではないか⁉️

演舞場の鳶たちも、この竹田奴たちも大部屋の役者さんたちの晴れ舞台。腕立てふせ、相撲、カーリング風、操り人形風。色々な絡みを白鸚@ゴトゥと見せてくれました。楽しい、お正月だから、ただただ楽しくて幸せは良いもの。

やがて五斗@三番叟が始まり、ユーモラスな中にも、やはり風格があるのは、昼の吉右衛門さんと同様。最後は竹田奴三人の馬に乗り、朱塗の酒桶(?)を馬の顔に見立て花道を引っ込んで行きました。

そうだ、こういう風にやれば良かったんだよね、
トリウマ。やはり一人の上に乗るのは無理じゃなかったかと思ったり。歌舞伎って、本当に方法論
の宝庫なんだなぁと思いました。

それから、この五斗兵衛は明治の四代目芝翫が大変、面白く演じたということを渡辺保さんが書いていました。白鸚さん、芝翫さんにいつかやってみたら、という思いもあったのでしょうか。

あれー。まだ一つ目しか書けてない。
長くなったので、続きはまた。