心と身体は繋がっている。

だからといって、『病は気から』という言葉を精神論に置き換えるのは好きじゃない。身体が傷めば、心も痛むのは当然だ。

そして、『健全な精神は健全な肉体に宿る』という言い方も好きじゃない。
取り方によっては、身体が不自由な人や病気の人を愚弄している事になる。
実際にこの言葉の出処を調べると、 「健やかな身体に健やかな魂が願われるべきである」となっていて、元の意味は、だったらいいよなぁ~ でも、そうでもないんだよね。という、強いて言えば、健康でも心が嫌な奴への皮肉だったりしてるのだ。

毎日、たくさんのお客様に指圧をさせて頂いて、日増しに強く感じる事は、人間は精神と肉体の両面のケアが必要だなぁ~という事。

一生懸命に指圧をしても、なかなかほぐれず効果が出ない時は、お客様が心の問題を抱えている時がとても多い。
それに気が付くのは、臓器に関するツボが酷く凝っていてほぐれない時。
東洋医学の考え方では、喜怒哀楽と各臓器は繋がっていて、一つの感情に囚われ過ぎると、身体に不調を起こすと言われています。

僕は、あくまで指圧師で心理カウンセラーではないので、そういう時はこの考え方の説明をしながら指圧して、お客様に『何か心に溜め込んでる事はありませんか?僕はコリと一緒に聞き流してしまいますよ~』と語りかけると、堰を切ったように思いをぶちまけて、体のコリも一気にほぐれてしまうお客様がたくさんいる。

身体の疲れも心の不満も、少しずつ溜まっていき、いつか何処かで臨界点を超えて、苦痛や不快感として体感で耐えられなくなるもののようです。

ほとんどのお客様が、身体が動かなくなったり、我慢の限界に達してからのご来店なのですが、そこまで至ると簡単に元に戻せないよ~ と心の中では涙しながら指圧してます。

そして、いつも、『どうやったら治りますか?』と聞かれるのですが、『全て生活習慣から来る事なので、仕事や生活の見直しと、運動栄養休養の勉強して下さい』と言うと、深い溜息が聞こえる。苦笑

『ただ寝転んで指圧を受けていれば、健康が手に入るなら、僕は幾らでも喜んで指圧します。だけど、それでは時間もお金もかかり過ぎて、誰も続けられないです。』

『なので、せめて定期的に月1~2回ぐらい指圧に通って頂けたら、耐え難いような苦痛は未然に防ぎます。』

そう言うのがやっとです。もう同じセリフの自動再生。。。

ココロも身体も、まだ激痛を感じていなくても、『まだ』は『もう』です。
最近、痛みのあるなしに関わらず、ご来店のスパンをある程度は決めているお客様が、ようやく増えてきました。
少し報われた思いがする、今日この頃。
ありがとうございます。