誂える・設える・拵える-住まい創り-

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  誂える(あつらえる)は建築主・設える(しつらえる)は設計者・拵える(こしらえる)は職人
神戸のA.S.A.P.design Lab.が目指す建築主・設計者・職人のネットワークによる素材にこだわった住まい創りのプログです。

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どうもです。


25日昨日ですが、岡山Y邸の建具打合せに行きました。


建具屋さんに伺い、デザイン詳細について調整しました。


お施主様との打合せから空間をイメージして、

デザイン、機能、予算を検討し、建具のデザインも考えます。


私のデザインする住宅では、建具のデザインは重要なポイントになると

考えています。


ただし、実際に作るのは職人さんです。処変われば材料も変わるし、

機械含めて技術力も変わります。

直接職人さんと話しして、職人さんの得手不得手(出来る出来ない、自信があるなし)など、

問題点は?や、職人さんからの提案は?等々伺ってデザインを検討していきます。


ただ、自分のこだわりたい部分については、じっくり話ししてお願いすることもあります。。。


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建具屋さんの材料庫です。

ストックしている木材はいつも見せてもらいます。

何か面白いもの、使えるものはないかな?と物色します。


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これは米杉です。あまり使った事がないのですが、

木目は杉やな~と思ったのですが、

色目がピーラー(米松)みたいで、プレーナー(表面を削るもの)をかけてもらうと、

ピーラーと間違うほど目が細かくて綺麗でした。(でも柔らかい。やっぱ杉だ!)


今回の外部木製建具をピーラーか米杉で悩みましたが、

やはりピーラーにしました!



現場に行きました。

外観の進捗状況です。

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吹き抜け部分は、今は床が張られ材料置場です。

勾配天井も下地のPBも貼り終わりました。


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バルコニー部分です。

手前の梁、頑張っているでしょ!


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床材が搬入され、ロフト部分に貼られました。

フローリングは、無垢タモの燻煙処理されたものです。

いい色合いだと思います。

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また記事にしますが、

玄関框に銘木を使うことになりました。


こうご期待!

どうもです。


23日ですが、8年前に設計させて頂いたお施主様宅を御訪問させて頂きました。

まだ地域ビルダーに勤めている時のお客様ですが、ずっとご連絡も頂いています。

(年賀状ばかりですみません)

有難う御座います。


今回は、門柱の改修とその他メンテナンスについて確認させて頂きました。

門柱については、建物配置と車2台の駐車方法から極力コンパクトなスペースで

検討したことを覚えています。

玄関庇の腕木部分を木材の跳ね出しとしたので、それに合わせる様に、

当時は、枕木を1本建てて、照明、表札、インターフォンを設置することを提案し、

施工させて頂きました。

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枕木の割れで、照明ブラケットの取付がぐらつく事と、

枕木の足元が腐っているとの事を伺う前に聞いていましたが、

足元は腐食ではなく、シロアリのようでした。


シロアリはどこかで急に発生したり、湧いたりするものではなく、

日本の土の中にはどこにでもいるものなのだそうです。

マクロな事で言えば、地球環境の循環の中では、有機物の分解に大きな役割担う

絶対に必要な生物なんだそうです。

(日本には、もともとヤマトシロアリ、イエシロアリが居ましたが、

外国からの輸入材の中に潜んで、日本に入ってきたシロアリがいるようです。

これの被害が大きいようです)

枕木についても、シロアリは食害するようですね。

枕木があることでシロアリが来たのではなく、土壌にもともといるかどうかが問題だそうです。

現に、このお施主様宅も建物の基礎廻りには、蟻道なども見られませんでした。

その点は安心致しました。


現状のスペースで新しい門柱を提案をさせて頂きたいと思います。


S様、いつも有難う御座います。








どうもです。


19日ですが、京都建築専門学校の市民講座「木造の魅力」がありました。

講師は、京都・酢屋 千本銘木商会の常務取締役 中川典子さんでした。


銘木屋さんというのは、珍しい木や価値があると言われる木を扱っている材木屋さんって

いう印象でしたが、千本銘木さんでは、内装材、造作材を扱い、特に床の間の室礼、デザインするのが

お得意で、ナグリや網代等の銘木加工も行っているとのことでした。

また唐紙で有名な唐長さんへ版木を納めているとのことでした。

この版木は「朴(ほお)の木」だそうです。

(調べてみると、「朴葉味噌」「朴葉餅」などの「ほお」の木だそうです)


京都建築専門学校の葭屋町町家校舎で行われたのですが、

この町家の2階にある床の間について解説頂きました。

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床柱は、北山杉の絞り丸太を太鼓状に。

落とし掛けは桐(京都では吉野杉の赤杉が多いそうです)

壁留め(落とし掛けの反対側(脇床側))は、タフ、イチイ?確定していないようです。

堅い部分で「ジン」と言われる部分だそうです。


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床框は、縞黒檀(黒檀の中でも珍しいものだそうです)

床の間の地板は、ケヤキ。


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天袋、違い棚、脇床の地板ともにケヤキ。

筆返しは雲型の黒檀。束部分も黒檀。


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吹抜(床の間と脇床の間の光を通す壁の開口部分。ちん(犬)くぐりとも言うようです)部分の枠材は、

鉄刀木(たがやさん)。


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紫檀(したん)、黒檀(こくたん)、鉄刀木(たがやさん)!

皆さんご存知ですか?

「アジア三大銘木」です。

鉄刀木が使われているのは初めて見ました。


床の間の考え方は、床柱が中心で、床柱に向かって木目を揃え、

木の末を床柱側に持ってくるようにするそうです。

(お施主様の家系の繁栄を天に、未来に向かうようにとの考えだそうです)


廻りの木については、京都の奥ゆかしさを表現し、

その取り合わせは棟梁のセンスによるものだそうです。


次に北山杉の丸太を見せて頂きました。

北山杉は上記の葭屋町の町家で築110年程の床柱。

最初は、黄金色(下記の写真)から、アメ色(110年くらい)に変化し、

150年程で漆を塗ったような艶になるそうです。

自然と経過年数で変化していく。これが日本建築の良さではないでしょうか.


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磨き丸太、絞り丸太の具合というものは、千本銘木の主人の好みによるものだそうで、

その時代を反映したものでもあるとの事です。

中川典子さんは11代目。典子さんの母親10代目の好みは絞りの薄いもの(さみだれ)

9代目の祖父の好みは深い絞り丸太。


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10代目好みの薄い絞り丸太。

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9代目の深い絞り丸太。

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桧のサビ丸太。

(ある人がゴマアザラシみたい・・・と言いました)

これは季節の移ろいの中で、手間暇を掛けた仕上材です。

梅雨時期前に皮を剥き、樹皮のゼリー部分を残して、雨を当てて

サビさせるという、均一には作れない、唯一無二な柱材です。

この黒い斑点の濃さで裏千家好み、表千家好みというのが

変わるようです。


こういうものが創られる技術というものは、朽ちる事無く伝承させていきたいですね。

そのためにも使用していく事、皆さんに知って頂くことが大切だろ思います。


誰かつかってみませんか?

我が家に1本!如何でしょうか!




どうもです。


14日ですが、岡山Y邸の現場確認に行きました。


オーダーキッチンの神戸スタイルさんも職人さんと共に

現地調査に来てくれました。


ラス下地施工です。
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軒裏ピーラーとの納まり部分ですが、

雨仕舞については、2段、3段構えで施工することに

しました。


ポーチ部分の建方、屋根庇が施行されました。


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ちょっと鈍角に開いているポーチです。

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当たり前の事ですが、

屋根材は、軒桁に対して垂直に仕上げるものだと

再認識しました。


バルコニー部分です。

腕木に軒桁が渡りアゴでかかる納まりです。

その上に桧の羽目板を張った軒裏がのっかる様に

仕上げます。

開放的な奥行きのあるバルコニーです。

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着々と工事も進んでいます。


どうもです。


12日ですが、兵庫県HM養成講習会第10回目があり、

10月15日に行った薄口醤油ヒガシマル(龍野市)の倉庫、醸造庫の

再実測調査に行きました。


前回5日の講習で問題点を共有し、実測方法を検討していましたので、

早速分担して取り掛かりました。

(懇親会のいい影響でしょうか。皆さんのグループワークが良くなっている気がします。。。)


実測も無事終了し、またCAD化していきます。



今日の話はHMの実測の事ではなく、今回の講師、澤アトリエの澤先生が

この龍野にある聚遠亭がお奨め!ということで、

講習前に受講生の方々と見に行きました。

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今日は見学出来ない!と管理している夫人に言われたのですが、

いろいろお話をして特別に見学させて頂きました。


天皇から譲り受けられた建物という事でしたが、入り口部分の材は再利用材が

多いようで、どうなんかな?と思いましたが、内部は凝った創りで驚きでした。

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天井高さが6尺(1800mm)しかないため、座ると居心地よいのですが、

立って歩くときは慎重になります。

外観からすれば、それほど天井高さを詰める必要もなかったと思いますし、

桁までが高すぎる感じしたので、こちらへ移して建てられた時に天井も

低くされたのではないか?と推測していました。


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奥の間の茶室部分ですが、ここの床框に

びっくりしました。


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暗いのもあり、何かよくわからないのもあったのですが、
じっと近くで見てみると、虫喰いされた状態を意匠として

床框としているようです。

上記の全体写真を撮ったときは、本当に気付いていませんでした。

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自然の産物?

たぶん、床框で使っていて喰われたものではないでしょうね。

(写真、ピントがぼけていますが、すいません)


床柱との相性、網代天井などこの組み合わせはどうなんでしょうか?