近付く選挙で本来問われるべきは目指す社会像です。私が目指す社会は誰もが夢に挑戦出来る社会です。一度や二度失敗をしても復活のチャンスがあり、活力と希望にあふれた社会を創りたいと思います。今は、夢や希望を見つけることが難しい時代です。でも、ひょっとすると半分は見つけること自体を諦めているのではないでしょうか?夢の実現といっても誰もがプロ野球の選手になれる訳ではありません。しかし、夢を見つけたらまず挑戦してみようと思うか、最初から諦めるかでは大きく違います。挑戦してみて失敗したとしても実現に向けて努力した経験は必ず次につながります。最初の一歩を踏み出すことが大切です。そして、最初の一歩を踏み出せるか否かには、失敗をしても大丈夫だと思えるかどうかということが大きな要素です。

私が最初の選挙に出馬するかどうか悩んだ際に、最後の決断の後押しをしたのは留学中に聞いた一言です。スタンフォード大学ビジネススクールに留学中、将来の夢を米国人の同級生と語り合いました。同級生の多くは、将来自分で会社を興したいと話をしていました。私は、「起業するのも面白そうだけど、政治家になって日本を変えることが出来ればもっと面白いと思う」と答えました。すると皆から「だったら政治家になればいいじゃないか」との声が出ました。「いや簡単に言うけど、選挙に出て落ちたら大変なんだよ」と答えると、「落ちても仕事はいくらでもあるよ。二三回挑戦してだめなら、新しい道を見つければ良いじゃないか。その場合、最初の夢に対して真面目に努力をしていれば必ず次の道は見つかるから」と言われたのです。失敗して駄目なら、その経験を生かして次の夢に向かって進むという発想が重要です。

社会全体としても失敗の経験は貴重な財産です。だから、失敗を後に生かせる枠組みを構築する必要があります。日本を甲子園の様なトーナメント型の社会から誰にでも何度でもチャンスのあるリーグ戦型の社会に変える必要があります。その為の政策として個人保証を極力入れずに資金調達が出来る仕組みを作ることや雇用保険を拡充することも考えなくてはなりません。セーフティネットとしての年金・医療・介護等の社会保障制度の拡充ももちろん大切です。同時に失敗を恐れず、信念に従って一生懸命努力する姿勢を多くの人たちが見せることで、後に続く人たちに自信を与えることも大変重要です。人生に必要なものは希望です、夢をあきらめないことです。人生は命という有限の時間です。成功に向けて努力する過程の中で、大きく正否を左右するのはそれまでに培った人間関係です。