フル・フロンタルの言う、
宇宙に棄てられた者たちとは。
国際連合の発展的解散をもって誕生した地球連邦政府。
それまでの国際連合とは大きな違いがいくつかある。
世界の恒久的な平和を目的とはしていない。
連合軍ではなく独自の軍隊を所有している。
誕生目的のひとつは地球環境の改善である。
この地球環境の改善を目的として、
人口の増加が地球環境悪化の一番の原因と考えられたのだ。
しかし国際連合の頃もそうであったように、
地球連邦加盟国の中で、力関係や利害関係が発生してしまう。
そこで活躍したのが地球連邦軍である。
宇宙移民政策に関してはすべて連邦政府に委ねられ、
加盟国の自治政府は地球連邦政府傘下の
紛争地域の国民を優先的に宇宙へ移民させたこと、
宇宙世紀0022年には地球上からの紛争消滅宣言がされている。
とはいえ、
それが宇宙世紀40年代に入ると爆発的に宇宙移民が増加する。
これは技術的問題が解決されたためと、
エレニズムという思想が広がっていったためと言われている。
エレニズムとは、
全人類が宇宙へ移民し、地球を聖域として考える思想である。
これらの影響もあり、宇宙世紀50年代にはいると人口の8割にあたる、
約90億人もの人が宇宙に移り住み、宇宙で生活をしていた。
ところがその矢先、宇宙世紀0051年に連邦政府は、
地球上にはいまだ20億人の人間が残っているものの、
一部の環境問題は解決しつつあり、それが適正な人口と判断された。
エレニズムを信じ宇宙へ上がった人達は、
しかも連邦政府はコロニーの建設に投じた費用を、
コロニーから様々な手段で収奪していた。
コロニーの人々は全人類の宇宙移民を信じていたからこそ、
移民計画の凍結を知り我慢の限界に達する。
当然の流れとして各サイドから自治権の拡大要求が起きる。
しかし連邦政府はそれを認めなかった。
コロニーはもともと自給自足ができるように設計されている。
まして技術的に地球より進んでいるものもある。
つまり各コロニーは、希少な資源や産物を除いて、
膨大な輸送コストをかけてまで地球と貿易をする必要がないのである。
産業の空洞化が懸念される連邦政府はコロニーに対し強権を発動、
エレニズムを信じて宇宙に上がったのに、、
いまや宇宙に棄てられ、切り捨てられただけだ。
そう強く感じるようになっていった。
宇宙世紀0079年、
それから17年。
いまだ宇宙に住む一部の人々の心には、
宇宙に棄てられたという想いが残っている。
百年前、私たちスペースノイドは、
棄民の謗りを免れぬ行いではありましたが、
ミネバの言葉がどれほどの人の心に届いたかはわからない。
だが可能性を信じて祈りたい。
宇宙に出た人類の先行きが安らかであることを。
宇宙世紀が実りある時代になることを。
真下
