2019年4月末に友人のDJに誘われ女性オンリーのイベントに出向いたトランス女性が入店を拒否された問題があった。

性別は女性だけれど、、、と入り口の前でインカムでいうスタッフ。

そして、トランス女性は入れませんと入店拒否される。

戸籍を変えたとしても女性として認められない悔しさ。

見た目で他者から判断されることに僕はすごく不快感がある。
どうにもできないこともあるからだ。
身長や手や足の大小はお金を出しても変えられないことの一つだ。身長を伸ばす手術もあるが心身ともに負担は多い。

クラブは皆で音楽を楽しみながら踊ったり会話をするところだと思っていた。

もし仮に他のお客様の安全を考えて、、、と言われてしまったら、自分はあたかも危ない犯罪者な気持ちにもなる。

僕はトランス男性で、男性が好きだ。
しかし、トランスだからとの理由でゲイのお店への入店を断られることもあった。
また、MSM(男性とセックスをする男性)の中にもトランスジェンダーは、、、と言って枠にいれてもらえないことがある。
トランスだから仕方がない、トランスは別物だみたいな感じで言ってくる人もいる。

そして、戸籍を変更してもしなくてもほとんどが見た目で判断をされる。
他者から自分をジャッジされOKがでたらそこの空間にいられる。
不思議な世界だ。
少なくとも同じ方向をむき、力を合わせ歩いているLGBTQ当事者間での差別や排除の現状があることをひどく悲しく感じる。そして、それをみせないようにする人達もいることを実感した時に、悲しみはさらに増す。
L/G/B/T/Qでおかれている状況が違うじゃんと思う方も少なくはないと思うし、僕自身もトランス前の性自認が揺れ動き悩んでいた時期にはLの世界に少しいたことはある。しかし、Lのことが分かるかと聞かれれば、自分はLではないから、状況はあまりわからない。でも、きちんと知りたいと思うから、勉強やLの友人と話をして少しでも分かりたいと思う。
というかトランスジェンダーも言葉では一つ括りにされているが、一人一人社会的な背景も違えば、感情も違う。だからこそ、出会った一人一人と話を行い、トランスジェンダーとかのカテゴリーだけに当てはめるのではなく、その人自体を知りたいと思う。直面する問題だって、おかれている状況によって異なるしね。


あと、すごく思うのは、悪意のない傷つく一言を発せられたり、時には権力で小さな声をねじ伏せようともされることがある事実。
そして、おかしいと思ったことへの声を出しすぎると、あいつはめんどくさい奴だ、協調性がないと、距離をとられてしまう。
慎重にした方がいいよ、多少のことは目をつぶった方がいいよ、穏便にすまそうよ。
親が昔から僕に言い続けてきた言葉の一つだ。僕を取り巻く環境もそうだ。
小さい頃から、押さえつけられ、おかしいことを指摘する人がおかしい、恥じるべきことだと教えられてきた。

でも、差別だと感じたことは差別だし、時には声を荒立てて言わなきゃいけないこともある。

戦うことは決して楽ではないし、体力をつかう。
時には誰かを傷つけることもあるかもしれないし、傷つけられることもある。

そして、暴力的な言葉や目に見えない権力や圧力で踏みつけられることの方が多い。

でも、悲しみを共感したり勇気をくれる仲間がいるから僕は前をむいて頑張れる。

僕にはジャスティスがよくわからないけど、
やらなきゃいけない。

いや、やりたいんだと思う。

少しでも僕と出会ってくれた人達が生きやすいように。