娘家では、母親である娘が起きてくる時間が一番遅い。

父親である婿殿が孫ちゃんと一緒に起きてくる。

婿殿は、パンをかじりながら孫ちゃんの朝ごはんの用意をしている、らしい。

朝ごはんと言っても、パンに牛乳、ヨーグルト、簡単なフルーツ程度である。

娘に、早起きしてもう少しましな朝ごはんを用意したらどうか、と言いたいのをずっと呑み込んできた。

最近になって、娘が起きてから卵焼き(程度のもの)をしてやっている、らしい。


息子家でも似たようなものである。

息子家では、孫ちゃんの保育園の連絡用アプリをわたしも見ることができるようになっているため、夕食や朝食のメニューが分かる。

まあ、何というか、つい口を挟みたくなるのを理性で堪える日々である。

違うのは、息子家では、お嫁ちゃんが早起きの孫ちゃんと一緒に起きて、孫ちゃんのごはんを準備していることだ。

その代わり、と言っていいのか、お嫁ちゃんは孫ちゃんと一緒に8時には寝てしまう。

キッチンの片付け?

自分が食べた分はそれぞれでざっと洗って、食洗機に入れたら、息子が寝る前にスイッチを入れる。

実に簡便で合理的である。


小言を言う舅姑はいない。

良い嫁であろうと自分にプレッシャーをかけたりもしないようだ。

そもそも、良い嫁の定義すらないのかもしれない。


わたしがたま〜に口を滑らせると、酷い目に会うのはわたしの方だ。

なんとまあ、よい時代ではないか。


これはわたしがずっと胸に抱いてきた理想なんだろう。

昭和の嫁として働き続けてきた母親の後ろ姿を見て育った世代の、これが答えである。

どうやら、わたしは子育てに成功したようだ。