昨夜、夫から着信があった。


わりとすぐに切れた。


間違えてかかってしまった!くらいの長さのコールだった。


しばらく動悸がしたが、やがて眠ってしまった。


夫のことは今もひんぱんに考えるが、夫との暮らし、夫にされたあれこれは、もうあまり詳細に思い出せない。


一緒にいたときは、こんなことをされて死ぬまで忘れないと思っていたし、信じていたのに。


記憶は書き換えられる。

他ならぬ、自分自身によって。


感情も上書きされるときが来るのかも知れない。

やり直せるかもしれないなどと希望を持たぬように、

同じ過ちを繰り返さぬように、


渦中にあっても、記録と証拠に執心すべきだと思う。