今年は30代に突入する節目の年。

どんどんガツガツやったるでー!!

と意気込みスタートした2020年。


Zepp Tokyoでの東山奈央さん公演から始まり、自身の新春公演も各地で開催させていただいた。どの会場でもお客様がとても盛り上げてくださり、本当に楽しかった時間を今も鮮明に記憶している。


その時にはこんな未来を誰が想像しただろうか。


「中国で新型のウイルスが」との報道も、正直「へー」くらいの気持ちで見聞きしていたが、程なくして日本もコロナ禍に陥り、国民全員が非常に辛い時期を経験することになった。


私も次々に仕事が消え、全本番が中止になり、約4ヶ月間、家族と共にずっと家の中で過ごした。この時間はもちろん幸せだったが、仕事ができないというこのやるせない想いをどう処理し、芸の炎を消さずどうモチベーションを保とうか、日々葛藤があった。


自分の性格上、一度下を向いてしまったらどんどん沈んでいくのは目に見えていたから、否が応でも決して俯かず無理矢理上を見続けることに徹した。


「人前で演奏ができないなんて

いや、この考え自体が間違いだったことに気づく。

誰かに自分の演奏を同じ空間で聴いていただけることがどれだけ奇跡的だったのか、この想いを深く胸に刻んだ。


こんな時でも自分の音をどうにかして世に流し続けたい。その一心で、今まで敬遠してきたYouTubeを始めた。

慣れない動画編集に、毎晩徹夜で立ち向かう。自分に課題を課さないと怠けてしまうのも分かっていたから【週1で】と公言する。でもほんとにキツかった。


そうして続けているうちに、「祥くん面白そうなことやってるじゃん!!」と数名の方がYouTubeを手伝ってくれることになる。人とのご縁、繋がりの有り難みを感じた。



なんと言っても、私にとって今年大きな宝物になった「ART歌舞伎」との出会い。

同じ大学で学生時代から親交のあった、歌舞伎役者・中村壱太郎さんから電話をもらった時、本当にワクワクした。


素晴らしい演者の皆様、そして大好きな音楽家の皆様との作品創り。最高に幸せな時間だった。


この場を借りて、壱くんをはじめART歌舞伎に携わる皆様に心から感謝を申し上げます。



8月。江頭250さんのYouTubeチャンネル「エガちゃんねる 花火大会」に出演。

自粛期間中に音楽仲間と『エガちゃんねるのOPEDテーマを本気で弾いてみた』という動画をSNSにアップしたところ、瞬く間に皆様が拡散してくださり、それがご本人に届いたのだ。

リモートや生配信ライブなど、一気に常識が変わった一年であったが、そんな2020年らしい貴重なご縁に、本当に感激したし、嬉しかった。



夏以降は、有り難いことに徐々にではあるが各地での演奏、レコーディングなど、様々な場面で三味線を弾かせていただいた。



本来有ることが難しい” その奇跡が有り難いこと。



今年はいつになく多くを学び、自分も変われた一年となった。



皆様本当に、有難う。



どんな時期でもやれることはある!

今また感染が広がり、いつ自分がそうなってもおかしくない世の中だ。


最大限の予防と対策の上、リモートだろうが配信だろうが、来年も「どんどんガツガツやったるでー!!」

と意気込みスタートしてみます。




皆様くれぐれもお身体には気をつけて、どうぞ良いお年をお迎えください。今年も一年、本当にありがとうございました。来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。


浅野祥