「うさこを元に戻せ。」
『クックックッ。こちらの月の姫はもう少しで完全になるのさ。』
隣にいる『うさぎ』が、妖しく微笑む。
「どう言うことだ!?」
『お前に関わったせいで苦しむ、この娘をお前から解放してやるのさ。そして我が力となる!』
「まちなさい!うさぎを貴方の思い通りさせないわ!」
レイは叫ぶと、お札を鏡に投げた。しかしそれは届かず、空を切り燃えた。
『怖い怖い、火星の守りは厄介だからね。』
そういうキュクノスの横で『うさぎ』がロッドを 翳していた。
「まさか、私達の力が使えないのは…!」
「あの『うさぎちゃん』のせい?」
「どうして、ロッドまでつかえるんだ?!」
変身を試みた美奈子や分析をする亜美。『うさぎ』の持っロッドを見て驚くまこと。
「みんな。彼女にうさぎちゃんの力が移ってるの!」
「早く彼女を取り戻さないと!」
ルナとアルテミスが叫んだ!
『嫌よ!』
「「!?」」
その言葉に、『うさぎ』が反論した。
『私はもう戦いは嫌!皆にも戦ってほしくない!』
「うさぎちゃん…。」
その言葉に守護戦士達の動きが止まる。
『…それに、それに貴方と出会わなければ、私は苦しみを感じずにすんだのよ。月の時代もそしてあの時も…。』
『うさぎ』は衛を見つめ、苦しげな表情で訴えた。
「…!!うさこ…。」
その言葉を聞き衛も息を飲んだ。
『だから、私はこの人に従うの!あの未来が来なくなるのなら!!』
そう叫ぶと、ロッドに力を込めた。途端に皆が金縛りにあう。
「マスター!! 彼女の本心じゃない!」
「しっかりしなさい!」
「あれが、奴等の策だ!!」
「貴方ならわかるはずだ!」
四天王がシールドを張りながら、衛を叱咤する。その声にはっとした衛は、自分の手の温もりが増したことに気づいた。黒色化したうさぎから何か伝わってくる。
「…。ああ、そうだ。…信じてるよ。」
そういうと、自分の胸に手を当て念じた。すると『うさぎ』が放つ力が消えた。
『きゃあ!』
『…くそ、一旦引くぞ!』
鏡の中にもその力が届いたのか映像が揺らぎ、二人は消えた。
部屋は再び静けさを取り戻した。
「皆、大丈夫か?」と言う衛の問いかけに。
「ええ。何とかね。」
気丈に振る舞う美奈子。
「力が吸いとられる気がしたわ。」
身震いをする亜美。
「付けられて居たのか。私達。」
悔しさを表すまこと。
「衛さんこそ、大丈夫なの?」
レイは気遣いを見せる。
「ああ。四天王のおかげでね。とにかく一刻を争う。場所を変えて話し合おう。」
衛の言葉に8人と2匹はうなずいた。衛は気になっていた。『うさぎ』が言った苦しみの事を。ヒントは手の温もりにある気がした。
~あとがき~
刻みます。さあ、どう展開させようか迷いますが。
『うさぎ』の言う、苦しみやあの未来とは?
ま、ぶっちゃけ、あのつらいシーンの数々ですけどね。
続きが早く出来るよう頑張ります。