僕が食べようとしていたカレーにセミが飛び込んできた

バタバタとカレーを撒き散らし、なんなら少しだけテーブルが汚れた

あの日から3日、僕はその出来事がどうしても忘れられなかった

寝ても覚めても考える事は、セミの野郎、俺のカレーをどうしてくれるんだよ、だった

妹が気をつかって、少しだけカレーを分けてくれたが、そんな妹にも謝ってほしかった

しかし、もう憎むべきセミはこの世にはいない

一週間しか生きられない分際で、僕の心に一生のトラウマを残しやがって

テレビをつけたら甲子園が映り、ちょうど母校が負けた直後だった

それもセミのせいにした