「足るを知る」という言葉がある

古代中国の思想家、老子の言葉らしい


「何事に対しても、満足するという意識を持つことで、精神的に豊かになり、幸せな気持ちで生きていける」


という意味らしい


ふーん




最近、思うのは自分って欲張りだなって事


贅沢な悩み とでも言うのか


趣味で音楽をやっていくと決めたくせに、もっとライブしたいなとか、ソロで活動して、もっと音源出したいなとか


結局、お金も時間も人気もやる気もないから出来ないんだけど


それでなんか鬱っぽくなったり、

僕に限らず、みんな何かしら心を病んでるのを最近よく耳にする


バンドって、やっぱり目標があって、それに向かってみんなで頑張っていく訳だから、ハングリー精神がないと成り立たないし、承認欲求が高い人がほとんどだと思う


いや、これバンドだけの話じゃなくて

基本的に人間ってのは何か夢やら目標やらに向かって頑張って日々を生きているわけで


学生なら良い大学に入って、良いところに就職するために勉強して

社会人なら、昇進して給料を上げて家族を養うために、ひたすら働いて

バンドマンなら、メジャーデビューとかを目指して、練習して宣伝してライブする


みんなより「上」を目指して、競争して闘う

幸せになる為に頑張る



とても正しいし、それが社会であって、頑張ってる人は評価されて幸せになるべきだ


だけど、僕はそんな競争や闘争にはあんまり興味が湧かなかった


ただ、親や他人に言われるがまま

勉強して、大学に入り、就職した


だから、会社に入っても昇進するために、普段の業務以上に何かを頑張ったり、友好関係を広げようとか全く思わなかった

周りがそういう雰囲気だから、はみ出ないように精一杯誠実なフリはしたけれど、僕は典型的な「お金さえもらえればいい人」だった


自分の居場所はここじゃないと思っていたし

本当にやりたい事はバンドだったから、バンドをする為に働いているという気持ちでずっといた


それは今も変わっていないはずなんだけど、あの頃のようなトゲトゲした社会に対する反骨心みたいなのは薄らいで来ていて、本当に無難に誰にでもいい顔が出来る様になったなと思う

それなりに頑張っているフリも上手くなった


バンドは再始動したものの、以前にも増してマイペースになった メンバーみんなバンド以外のこと

仕事とか家庭の事とか、すごく頑張っていて

幸せを目指して頑張っている


僕はといえば、、やっぱり音楽以外に頑張りたい事が浮かばない、、


本気でやりたい仕事も浮かばない

かと言って、今からソロ活動を本格的に始めたり別のバンドを組む気力も体力もない

僕にも大切にしたい家族がいる


こうやってグルグル考えていて、思ったんだ




僕、欲張りすぎじゃない?




日々は果てしなく長い

ゲームは大体1か月で飽きてしまう

運良くやりたいゲームが続けば、日々はしばらく潤う

でも、それも飽きたら また虚しい日々だ

日々の虚しさを埋める為にまた新しいゲームを探す


欲望のサイクルって、こんな感じ


バンドを組んだ

全国流通や、ワンマンライブを目標にしていた

色々あって、夢破れた

だけど、解散せずバンドは続いた

あの頃の夢が忘れられず、まだどこかで希望を持ちながら活動している

憧れだった、あのミュージシャンに褒められてオープニングアクトに呼んでもらえた時

エゴサして、SNSに嬉しい事を書かれてた時

そんな嬉しい瞬間が、頻度は少ないけど最近は何度もあって、僕はきっと浮かれていたんだと思う

もしかしたら、まだ僕は本気で音楽やれば、何者かになれるんじゃないのかとか

本当は僕はやっぱり才能があって、それを持て余しているんじゃないだろうかとか

良い曲が出来る度に、馬鹿な妄想に耽ってしまう

ソロデビューしてヒット飛ばして、憧れのあの人からも絶賛されて ワンマンライブを成功させて


そんな夢をまだ見てしまう事がある


きっと誰かを置き去りにして


それはメンバーだったり家族だったり


僕はアホかと思う


夢と言えば聞こえはいいけれど、結局の所それはただの欲望だ



この歳になって、夢だのなんだの言って目の前の現実や生活を蔑ろにするのは、ただのアホだ

欲望に負けた堕落者だ



足る事を知る



メンバーがいて 家族がいて

仕事があって、生活には困らない



本当はこれだけで、最高にラッキーなはずなんだ



この上まだ、音楽で売れるだのライブがしたいだのなんだの、ただの欲張りだ



人生は一度きりだと言う

好きな事をやるべきだと言う


若い頃はそれをずっと信じていた


だけど、今は人生は一度きりだからこそ

自分の人生に寄り添ってくれた人を大切にしたいと思うようになった


自分勝手な欲望を満たす為に、誰かを置き去りにしたり、ましてや蹴落としたりしてまで、僕はこれ以上、前に進もうとは思えない


現状維持 足る事を知る


今、そばに居てくれる人がいる幸せ

バンドメンバーが居る幸せ


ブラック企業に殺されてきた20代だったけど、今の職場は穏やかな人ばかりで、本当に心が健康になった

そんな職場で働ける幸せ


全てが満ち足りている訳じゃない

不安や不満もある


だけど、僕は今のままでいい

いや、今のままがいい


人はそれを停滞と呼ぶだろう

期待してた人を失望させるだろう


きっと、この先も僕はまた悩み出すだろう


その度に、自分を納得させて僕は僕のまま生きて行くだろう


だから、今、夢を目指して本気で頑張って

だけど上手くいかなくて本当に辛くて

信じる物は一つしかなくて、それにすら裏切られそうで

どうしようもない不安の渦中にいる人には、僕の音楽は届かないかもしれない


停滞した安全な場所から歌うロックなんて、全然ロックじゃないと思う

僕はもっと、ストイックにシビアになるべきなのかもしれない


でも、僕は恵まれていた事を否定して、嘘をついてまで、ロックを叫ぼうとは思えない


「お前全然ロックじゃねぇよ」って言われるくらいに、夢を追わずに、当たり前の日々と人に感謝していたい


ギラギラした野心とは真反対の平和主義者が僕です

要はヘタレ



長くなったけど、そんな僕がまたソロでライブをします





それでも世界が続くならの篠さんが、バックでギターを弾いてくれるこの日


いや、もうこれ やっぱり僕って欲張りすぎじゃね?


憧れのバンドと対バンとかの次元を超越して、一緒にステージに立って演奏するとか、夢じゃなかったらなんなんだろう わけわかんねーや


夢って言葉に対して多分ネガティブなイメージを持つ、僕ら2人


でも夢を追う人を否定したい訳じゃないっていうのは共通してて

てめーの言うそれは、ただの浅はかな欲望だよって言って怒らせたい訳でもないと思う


叶えられなかった人間の、負け犬の遠吠え

自分を納得させる為の弁論

成功者はなんとでも言えよ


「僕の人生って何」って事を考え続けるのが僕の人生であり、音楽であるって事なんじゃないだろうか


同じように、考えて考えて悩む人間が、音楽で少しでも考えを共有して共鳴出来たら、嬉しいよね


僕は思想家とか大層なもんではないけど、少なくとも篠塚さんは本物の思想家だと思うので、そんな人と鳴らす僕の思想を聞きに来てみてください


僕が生み出せる価値はそれくらいしかないので


それだけで僕は足る事を知れるのです