「やっと同意書をもらえたのか…。」
そう思った瞬間、麻酔がはじまった。
今までの不安と緊張がなくなるように、
痛みは消えていった。
主治医がやってきて、手際よく準備を進める。
「麻酔、効いていますか?」
はい!と話すと、すぐに手術が始まった。
お腹を横に切られる感覚。
でも、不思議と痛みはない。
代わりに、お腹の中を
探られているような感覚だけがあった。
そして——
お腹の中からなにかが出た。
「産まれましたよ!」
そう言われた瞬間、産声が響く。
すぐに1人、そして1分後にはもう1人。
小さいけれど、確かに赤ちゃんだった。
涙が止まらず、
ずっと、ずっと泣いていた。
手術の後処理も驚くほど早く終わり
私は安心して病室へと運ばれた。
でも、そこからが大変だった…。
麻酔の影響で下半身が動かない…
寝返りすら打てず、
ただじっと病院の天井をみていた。
先程のことがうそみたいだった。
それでも——
私のもとに、小さな命が2つもやってきた。
それが、何よりも嬉しかった。
明日へ続く…