柚木麻子さん「本屋さんのダイアナ」

好きな本は何度も読み返します。

柚木麻子さんは大好きな作家さんで

「マジカルグランマ」「ついでにジェントルマン」「本屋さんのダイアナ」の3作は

疲れた時、落ち込んだ時、迷ったときに手に取る率が高い本。

「ペンダントが光らないのは、

君がまだ自分の人生を生きていないからだよ。

君が変われば、ペンダントは光るようになる」

自分の人生を生きるって何だと思います？

難しい問いですよね。

おとなになるとだんだん「青臭い」とか「面倒だ」とか

わかったような顔をして

正面から自分に問いかけなくなるような気がします。

そもそも大人になると本当にすごく忙しくて

そんなこと考える暇があったらごはんの支度しなきゃ、○○の申請しなきゃ・・

とか、向き合う時間がとれなくなるのも事実だと思います。

そして、だんだん日常のことに追われていると

時々自分のことを見失って

本来、誰もが持っているはずのペンダントが

光らなくなったりすることが出てくるわけです。

主人公のダイアナと彩子がどうやって自分の人生を開くのか。

正反対の境遇のふたりが、紆余曲折を経てたどりつくラストにジーンと来ます。

色んな雑音や冷笑、上から目線や自分の中にある不安。

立ち向かわなければならないことがたくさん出てくると思いますが

その人なりの方法で、どうしたらいいのか悩んで迷う中で

呪文を解いて森から出る方法を見つけられたらいいなと思います。

社会に近付いていく若い世代には、雑音をシャットアウトして

自分の人生を切り開いてほしい！！！！

（私もまだまだ切り開きます）

この本はシスターフッドと女性の持つ大変さを理解するための

ガイドブックにもなります。

第２章の彩子ちゃんが経験する生理のこととか

クラスの男子からの扱いについては

実体験としてすごく共感します。

男性にもぜひ読んでみてほしいです。

全然十分ではありませんが、私も大人のひとりとして

より良い社会を作れるように「変だな」「もっとこうしたいな」

という思いと声を聞き（自分のも含む）

社会を明るい方に導いていきたいです。

ご卒業される皆さんおめでとうございます。

卒業に向けて本をお勧めするとしたら