９月議会で取り上げた一般質問についてご報告いたします。

※東村山市議会は質問通告制。

議会前に通告を提出しておきます。事前に所管と打ち合わせをする議会もあると聞きますが、東村山では「事前審査禁止」と言われており事前に打ち合わせをすることはありません。

質問された答弁に対して再質問することは認められています。

私の質問は黒字、答弁は赤字、私の補足は青地にしています。

Ⅰ　市営住宅は市民の財産！より良い施設にするために

市営住宅には、今後、ますます高齢化の進行が見込まれるなど、社会情勢の変化等を踏まえると、居住に配慮すべき住宅確保用配慮者等のためセーフティネットとしての役割を継続して果たしていくことが求められています。令和３年、市が策定した「第二次公営住宅等長寿命化計画」の計画策定の趣旨に書かれている通りです。市民の大切な財産である市営住宅について以下うかがいます。

１　現状について

① 入居戸数と入居率　←９１戸中８４戸が入居、入居率９０％

② 市営住宅条例５条に該当する入居戸数と人数　←なし　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　定期募集以外の特別な事情で入居した方

③ 市営住宅条例６条に該当する入居戸数と人数　←８４世帯１４９人

２　市営住宅の管理について

① 市営住宅の修繕、改善の必要性について、住民アンケートではどのような意見があるか。内装、共用部分、屋外部分についてそれぞれうかがう。

浴室の改善　玄関・ドア・窓等の改修　樹木の伐採

※内装浴室の改善が２７．２％、カビ・湿気対策のための改善２１．０％

※共用部分　玄関・ドア・窓等の改修３５．９％、段差の解消２０．５％

※屋外　樹木の伐採　６４．１％

R２年、市が作成した公営住宅等長寿命化計画にアンケート結果が記載してあります

東村山市公営住宅等長寿命化計画／東村山市 (city.higashimurayama.tokyo.jp)

② ①の意見に対する対応をうかがう。

調査結果で最も多かった内容は、樹木の伐採。

令和２年、剪定を年度内１回から2回に増やした。

玄関・ドア・窓の改修はその都度連絡を頂き対応。

浴室の改善は来年度以降に財源確保に努める

③ 排水施設について、排水管のつまりの清掃は「基本的に入居者負担」となっている。入居者が負担しなくてよいのはどのような場合か。

排水管のつまりの清掃については、つまりの原因により判断。例えば排水管の経年劣化等が原因であれば、入居者の負担をしないものと考えている。

今年の夏、市営住宅の方から相談を受けたのが排水について。

「流しから水があがってくる」という悲鳴に対する対応が早いとは言えず、何とかしてほしかったのです。

入居者負担になることにも疑問を感じて取り上げました。

「入居者負担にしないケースがある」と確認できました。

ただし、個別のケースについては議会以外で個々に対応します

④ 共益費の活用についてうかがう。

「市営住宅のすまいのしおり」にある項目（ア　共用部分の維持管理に係る費用総額｟街路灯、階段等、廊下灯、集会所、給水施設、その他共同施設の電気料金、及び設備内容によりガス、上下水道料金｠、イ　上記の各電球、蛍光灯、傘、スイッチ、ヒューズ等の交換に要する費用、ウ　エレベーターの保守管理費・エレベーターを正常に運転するため定期的な点検等を行う維持管理費、エ　受水槽の清掃費、オ　植栽管理費）ごとの費用額を経年でうかがう。

市内の公共施設については包括施設管理委託で一括して委託しているため、ア電気・ガス・水道、オ　植栽管理費だけしか個別で算出できない。

　　　　　電気・ガス・水道　　　植栽管理費

H30年度　　62,045円　　　　 2,254,667円

R1年度　　62,635円　　　　　2,113,353円

R２年度　　62,700円　　　　　9,689,823円

R３年度　　62,586円　　　　　5,412,770円

R４年度　　62,611円　　　　　3,154,087円

⑤ 上記のうち、共益費だけでは賄えず、費用が生じた項目と費用の負担者をうかがう。

共益費の収入だけで支出をまかなうことができない状況であり、その他の項目をふくめ、不足分は市で負担をしている。

答弁では認めませんでしたが、市が支払うということは、公共施設管理への支出が必要であることの証です。

公営施設なので、財源をけちるのではなくしっかり管理してほしいです。

⑥ 過去の修繕・改善状況について、Ｈ３０年度以降の項目、個所数、年度、工事費をうかがう。

H30年度

レンジフード修繕工事、ロータンク給水管修繕工事など合計７件　211万１千円

R１年度　

風呂釜修繕工事、防火扉危険防止装置交換工事など４件　229万8千円

R2年度　

プログラム修繕工事LED照明器具交換工事など合計13件　300万4千円。

R３年度　

洗面器トラック修繕工事時、水素棒中に交換工事など合計17件　307万円。

R4年度

受水槽ＮＦＭバブル、ポンプ室ユニット修繕工事など合計18件　389万4千円。

全て市が負担。

すべて市が負担、とはいえ８４世帯で割り返しても５万円にも満たない金額です。

市営住宅の中も見せていただきましたが、かなり古い施設も残されていました。改善が必要だと思います。

３　第二次公営住宅等長寿命化計画（Ｒ３～Ｒ１２年度）について

① 住宅確保用配慮者の居住に関する状況調査について、ヒアリングの結果にはどのような意見が出されたかうかがう。

・高齢者や障害者の関係者の虎の危険は、親族が保証人となってくれないため紹介者の保証人が必要となったり、入居を断られる

・低額所得者の関係者や不動産仲介業者

　コロナにおける困窮相談が増えていること

・民間の賃貸住宅でバリアフリーに対応している物件がほとんどない

② 長寿命化のための事業実施状況と今後の予定（※前期のみ）について、年度ごとの事業名・事業費をうかがう。

給排水設備の改善やガス管の更新は優先順位が高い。このため06年度以降に改修計画にに着手できるよう検討を進めたい

三号棟・五号棟　概算事業費　5600万円

四号棟・六号棟　概算事業費　5100万円

③ 市営住宅は、住む権利を保障する、大切な市民の財産である。格差が広がり高齢化が進む中、市営住宅の役割はさらに重要となっている。設備を充実させ、さらに住みやすい施設にするべきと考える。市長の見解をうかがう。

市長

市営住宅は健康で文化的な生活を営むに至る住宅を整備。住宅に困窮する低額所得者に対して、低額な家賃で賃貸することによって、市民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することが目的であり住宅セーフティネットとしての役割を継続して果たしていくことが求められていると認識している。

公共施設は、一斉に更新時期を迎え莫大な費用が課題。集約化や民間賃貸住宅との連携などが必要となってくる。そのため、公共施設全体の状況や財政的制約を踏まえ、市営住宅を含めた公共施設全体の適正配置を行っていきたい。

アンケートにもあったように、住居に困難を抱えている方が、コロナも、物価高騰もある。高齢化も進み、シングルマザーの方は住居を探すのが大変だということもある。市長はいつも集約とか民間の連携、適正配置と言われるが、これでは困窮者の人たちの住居を確保することができるのか疑問に感じている。公共施設を減らすという目標に向かって住居を減らすことがないようにしていただきたいと意見だけ申し上げる。

感想

憲法２５条にある生存権を支えるのが公営住宅です。

市長が、公営住宅の位置づけについて「市民生活の安定と社会福祉の増進」を掲げたことには心強さを感じました。

一方で、今後の運営の困難さをにじませ、集約化・民間との連携を答弁したことは見過ごせません。

住まいにかかるお金は、日々の暮らしを圧迫します。

市長がいうように低額な家賃で住む場所を確保することはとても重要な取り組みです。

他自治体を見ると、公営住宅をなくしている自治体も多くあります。

東村山市には、丁寧に管理し、長寿命化によってより住みやすい市営住宅を作っていっていただきたいです。

市営住宅の拡充を 一般質問のご報告①

市営住宅の拡充を　一般質問のご報告①