東村山市の老人福祉施設である「憩いの家」。

お風呂に入ったり、カラオケを楽しんだり、ヘルストロンを使ったり、囲碁をしたりすることができる施設です。

その運営委託料を値上げした委託料を、委託先の事業者（大成株式会社）に、いわれるがまま、言い値で支払ってきたことは、市民の税金を原資とする運営委託料の使い道として問題ではないか。

それを争う裁判が行われています。

２０２３年５月１２日、いよいよ裁判で判決を出す結審があります。（このブログはその前日である５月１１日に書いています）

そもそも何が起きたのか

２０１３（H２４）年まで、憩いの家は、社会福祉協議会が運営してきましたが、２０１４（H２５）年、から大成株式会社が運営委託事業を落札。

２０１４年～２０１８年までの５年間、大成株式会社が運営委託を請け負ってきました。

①大成が出した見積額

②市が決めていた入札予定価格※入札前は非公表であるが、そこも裁判の中で争われている

③見積額と予定価格の差額

④落札額は、年度ごとにそれぞれ次の通りです。

　２０１３（H２５）年　

①　２８９８万円　②　２７５９万２９５０円　③　１３８万７０５０円　

④　２７５１万円

　２０１４（H２６）年

①　３０１０万６０８０円　②　①と同額　③　０円

④　３００６万７２００円

　２０１５（H２７）年

①　３８５０万８０４８円　②　①と同額　③　０円

④　３７３２万４８００円

　２０１６（H28）年

①　３９０７万４４００円　②　①と同額　③　０円

④　３８８０万円

　２０１７（H２９）年

①　４１７５万４５２８円　②　４１７５万６０００円　③　１４７２円

④　４１２７万７６００円

①の見積もり額と②の入札予定価格が毎年値上げしていることがよくわかります。

東村山市は、予算策定の時に予算編成の基準を示す「予算経営方針」や「依命通達」（※年度によって呼び方と出ている資料が異なるため少しわかりにくいです）を出していて、よっぽどの理由がなければ事業費の値上げは認められません。

コチラのリンクの各年度をクリックしていただくとご覧いただけます。

予算／東村山市 (city.higashimurayama.tokyo.jp)

前年度予算額以上の事業予算の見積もりを出すと、財政を担当する所管から厳しくチェックされるのが通例。憩いの家の運営委託料だけが、そのチェックをスルーして、毎年値上げしていたのはなぜか。

また、見積価格と入札価格がほぼ同額（H26～H２８は１円たがわず同じ金額）であるのはなぜなのか。

市は、「大成に見積もりを作ってもらってそれに従って入札価格を設定した」と主張していますが、そんなことをしたら価格の妥当性をどうやってチェックできるのでしょうか。

２０１８（H30）年の東村山市議会　予算特別委員会でかなりやり取りがされています。第6回　平成30年3月22日（予算特別委員会）／東村山市 (city.higashimurayama.tokyo.jp)

リンク先の議会で市長が予算を撤回するに至っているのでご紹介します。

この議事録を読んでいると本当に頭が痛くなります。

値上げの要因として

雨どいの清掃をしたとか、言い訳のような答弁がたくさん出てきますが普通に読んでいても納得できる市民の方が少ないのではないでしょうか。

２０１８年以降も、議会で各種やり取りが行われています。

総価契約だから、委託料の内訳はわからないとしてきたのを、突然、一部の見積もりを出して５０万円程度を大成から市に返却させるということもありました。

決定的だったのは防火管理者未設置が発覚したこと。

防火管理計画がなく、管理責任者も不在のまま運営が行われていたのに、その事実が明るみになると、防火管理者になるために奔走したのは委託先事業者ではなく東村山市側（当時の課長）だったこと。

ｄ２０１８年には住民監査請求も行われました。

朝日新聞で報道されたことを、当時、ツイートしたものはコチラです。

#東村山 #憩いの家
今日の朝日新聞に憩いの家の問題が掲載。
「違法な不当支出で市民にとって納得のいく話ではない」

6年間で1750万円も値上げした結果
委託費は2億円にもなっていたのですね😰
市長の給料10%(9万円)で済む話じゃない。
税金の不正支出に市民は怒っています！ pic.twitter.com/n0osoZZywV
— 浅見みどり🏳️‍🌈日本共産党東村山市議会議員　東京都東村山市　インボイス反対 (@HoneySpecialP) November 10, 2018

市長さんは責任を取って自身の報酬を９億円減額。

これだけで済ませるというのはどうかと思います。

明日の裁判の行方は？

市長は「所管でやったことなので知らない」と自分に責任がないことを裁判でも主張してきました。

防火管理計画がなかったことについても「火災がなかったからよかった」と発言しています。

確かに事故が起きなかったことは良かったですが、責任者である市長が「火事がなかったから大したことないんだ」というような認識を持つことは大きな問題であると考えています。

１００条委員会設置が提案された時（※賛成少数で否決）に、議場を出た市長が、日本共産党の控室の前まで来て山口みよ市議（当時の日本共産党会派代表）に怒鳴りつけた時、私はその場所にいました。

（あまりにも怖くて、驚いたので録音も録画もありません）

明日の裁判でどう判決が下るのでしょうか。

私も傍聴に行きます。

雑なまとめで本当に申し訳ありません。

憩いの家裁判について、これまで紙ベースのニュースでもご紹介してきましたが、なかなかお伝えできていなかったので裁判を前に急いでまとめました。

改めてご報告できるようにしていきたいと考えています。

最後までお読み頂きありがとうございました。

東村山市「憩いの家」不当な公金支出裁判