​人には、「どうしても手放せないもの」がある。



​それは、誰かにとっては、古びたマグカップかもしれないし。


​あるいは、雨の日の、少し湿った土の匂いかもしれない。



​他人から見れば、「どうしてそんなものを」と、不思議に思われるかもしれないけれど。



​あなたにとっては、それを感じているときだけは、心が、静かに、凪いでいく。



​そんな、小さな、小さな「好き」が、あなたの中にも、ありませんか。




​私たちは、


「自分を好きになりましょう」という言葉に、どこかで、疲れてしまっているのかもしれません。



​完璧でなければならない。


愛されなければならない。



​そんな重荷を背負って、今の自分を責めるより。



​もっと、ささやかで、等身大の「好き」を、大切にしてみてもいい。



​それは、


「自分を愛する」という、大きな目標に向かうことではなくて。



​今の自分が、「心地いい」と、感じていることを、許してあげること。



​「このコーヒーが、美味しい」


「この時間が、愛おしい」



​その、一瞬の小さな肯定の積み重ねが、気づけば、あなたという存在を、優しく支える、根っこになっていく。



​大きな愛を、求めなくていい。


​不完全なあなたの、その小さな「心地よさ」を、どうか、そのまま、抱きしめていてください。



​占い師 朝月水琴