浅倉卓弥オフィシャルブログ「それさえもおそらくは平穏な日々」Powered by Ameba

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気がつけば今年ももう

あと一日を残すのみ。

 

本当はここでも、もう少し

『鎌倉殿の13人』の

最終回のタイミングに合わせて

 

『君の名残を』なり

『黄蝶舞う』なりの話を

 

書いておこうというつもりで

いたのですが

 

すっかりすっ飛ばしてしまいました。

 

 

思えばコロナも三年目。

一昨年の二月に、横浜へ入港した

某クルーズ船のニュースを

 

食い入るように眺めていたことは

なかなか忘れられません。

 

あそこから、時代のなにかが

本当に変わったのだな、とも思います。

 

今なお日々奮闘されているであろう

医療関係者の皆様に、

改めて感謝を記します。

 

 

おかげさまで僕自身はそれでも

どうやら平常運転といいますか、

 

2022年は新刊の訳書を三冊

著作の文庫の再発を含めれば

四作品五冊を

無事刊行させていただけました。

 

そういえば去年の今頃は、

『デイジー・ジョーンズ~』と

『ライブラリー』のゲラとが

 

入れ違いで行ったり来たり

してたんだよなあ、とか

ついつい思い出してしまいますが、

 

そういうわけで今年はまず、

この一冊から幕を開けました。

 

刊行までには、ここでは書けない種類の

紆余曲折があったりもしたのですが、

 

おかげさまで担当者様と御縁ができ、

なんとか書籍化に漕ぎ着けました。

 

そういう意味でも感慨深い一冊なのですが、

 

本書、架空のロックバンドの歴史を

オーラルヒストリーの形式で描くという

なんとも野心的かつ挑戦的な作品です。

 

こういうものを自分で紹介できて

ものすごく幸運だったなあと

思っていたところへ

 

七月には山中賞(というものまで

頂戴することができました。

 

改めて深謝です。

 

そしていよいよ来年三月には

ライリー・キーオと

サム・クラフリンの主演による

 

ドラマシリーズが

アマゾンプライムにて

公開される予定です。

 

たぶん音楽が出てきたらまた

騒ぎ出すかと思います。

 

本書の翻訳のなにが楽しかったかって、

巻末のアルバムの歌詞対訳だったりします。

 

架空のアルバムの歌詞を

全部訳詞にしていいって機会は

この先そうそうあることでは

おそらくないでしょうから。

 

 

そしてこの『デイジー~』の刊行の

ちょうど一週間後に

 

『君の名残を』の新装版上下が

店頭に並ぶ運びとなりました。

 

 

 

もちろん『鎌倉殿の13人』

ありきのことだったわけですが、

 

おかげさまで18年前の作品を

新たに読んでいただけるという

幸運に恵まれることができました。

 

実は『ボクのクソリプ戦記』のお話を

担当者さんからいただいていたのが

ちょうどこの前後だったりもします。

 

こういうお声がけは

文章を評価いただけたということなので

実に嬉しいものだったりします。

 

 

『ミッドナイト・ライブラリー』が

無事刊行の運びとなったのは、

 

さらに『名残』の新装版から

ほぼ数日後のことでした。

 

 

しょっぱなからオビには

BTSの名前を

出させていただいていたわけですけれど、

 

もちろんそんなことは最初から

わかっていたわけでは全然なく、

 

下訳が終わって一回なおしのやりとりをして

ではそろそろ

いよいよゲラにしましょうかといった段階で

 

この情報が入ってきた次第です。

 

でも、あの辺りから少し空気が

変わってきたことは確かですかね。

 

そしてまあとにかく、

発売当初からものすごい反響でした。

 

しかも本書、先月末には日テレの

『行列ができる相談所』で

古市憲寿さんに、

 

今年一番の本だったと

御紹介いただけたりもしまして、

 

その直後からさらにまた、

大きく動き出しております。

 

先週からは5刷りが

市場に出てもいる次第。

 

これも書いてしまいますが、

単行本での5刷りは、

僕も初めての経験です。

 

でも、それだけの作品だとも思っています。

 

英米で化け物みたいな

ベストセラーになっているのが

十分頷ける中味だと思います。

 

 

その後は、春先から夏場にかけて

せっせと翻訳していた

『ボクのクソリプ戦記』を

9月末に無事刊行させていただきました。

 

 

ネット社会時代の

コミュニケーションというものを

 

とことん考えさせてくれる一冊です。

 

とはいえ、なるべく小難しく

なり過ぎないよう心がけつつ、

いろいろ工夫して訳しております。

 

なんだか思いもかけないところに

書評が出たりもしているので、

 

お目と止まりましたら幸甚です。

 

 

そういえば、同じ夏場には

ブライアン・イーノの

『シュトフ・アセンブリー』の

ライナーノーツの対訳や

 

RSJのエディの記事も

やったんだったっけ。

 

エディの記事はまだ出てきてませんが、

あれも強烈な中味なので、

公開になったらまたここで御案内します。

 

ちなみにイーノ作品はこちらでした。

 

 

そして秋口以降は、来年の下準備的な

作業へとシフトしていったわけですが、

 

まだ諸々はっきりと

表に出せるところまでは

なかなか来ておりませんでして。

 

こういう場所で恐縮ですが、

特に幾つかの案件で、

 

御挨拶と御相談だけして

そのままになっている皆様には

改めてお詫び申上げます。

 

また落ち着いたら連絡させていただきます。

 

 

一応今現在、やはり音楽絡みの

自伝や評伝の類を

複数冊動かしてはおるのですが、

 

一番可能性が高そうなのが、

1960年代のあのバンドや

同時期に生まれたあの映画が出てくる

イギリスの文化論的な一冊なのかなあ。

 

もっともこの本は、

これからせっせと訳すのですが。

 

あとは、1930年代のアメリカを

舞台にしたちょっと変わった

ロードノベル風の小説や、

 

英語なのにページをめくる手が

止まらないという経験をさせてもらった

サスペンスっぽいYA作品などを

形にできればいいなと考えています。

 

そんな感じでとりあえずは

止まらずに

転がり続けてはいるつもりです。

 

あ、そうそう、年明けには

『四日間の奇蹟』の重版分が

出回る予定ですので、

 

書店の皆様には、また

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

最後になりましたが、ついこの前

こんな仕事をさせていただきました。

 

 

 

別冊カドカワの

back number特集号です。

 

今回は文章を寄せたわけではなく、

取材だけしていただいて

インタビュアーさんに

記事にしてもらった形です。

 

四ページ分くらい喋っています。

一応は歌詞の分析といった切り口です。

 

いや「ハッピー・エンド」はいい曲だわ。

 

では皆様どうぞよい御年をお迎えください。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

あ、『鎌倉殿~』の最後については

年を改めてからもう少し

ここでも書こうと思っています。

 

そういえばこれの電子化も今年だったっけ。

 

 

改めて、盛り沢山な一年でありました。

 

 

つくづくですが

特に『ミッドナイト・ライブラリー』は

 

僕という物書きに一つの転機をくれた

作品になるのだろうなあ、と思っています。

 

そしてどの本も、各担当様が

会社を説得してくださったからこそ

世に出ておるのだなと痛感しています。

 

どうもありがとうございますm(_ _)m。