「あれ? こんな動画あったっけ?」と澪が首を傾げつつ、動画の掲載日を見ると、
昨日澪たちが見た時間のすぐ後にアップされていたようだった。
そんなことは律には関係なかったようで、「お? この娘可愛くね?」
「あ、ほんとだ可愛い~」と、紬たちと一緒にいかにも女子高生らしくキャッキャと黄色い声を上げていた。
特にこのバンドの中で軽音部のメンバーが声を上げたのがエレキベースの女の子だった。
長身で髪も長く、きれいな目をした女の子だった。 その辺りの身体的な特徴は澪と似ているのだが、
瞳の奥にどこか憂い気を帯びた、不思議な少女だった。
明るい笑顔が印象的なボーカルのMCが終わり、バンドが曲に入る頃には、桜高軽音部は、
STER GENERATION以上の衝撃を思い知ることになった。
それからしばらくは全員が異様な興奮状態にあった。
このバンド、「第二文芸部」という変わった名前のパンクロックバンドらしいのだが、女の子全員が
楽器を始めてからわずか数ヶ月にも満たないと言うのに、桜高軽音部より演奏技術が
上だというのだ。 しかも美人ぞろい。
これはぜひ一度見たい。 尊敬のまなざしで画面で輝く少女達を見ながらはしゃいでいた。
一方その頃、階段の上にある視聴覚室に駆け上がるひとつの足音があった。
「遅れてごっめ~ん!! 平沢唯ただいま参上~!!……って、あれ? みんなぁ~……??」
ここから、2組のバンドの少女達が織り成す、熱く眩しい夏が始まる。