症状から考えられる膝の傷害の判別


 軽度の膝関節捻挫


・あまり腫れも無く、膝の曲げ伸ばしや歩くときに少し痛みを感じる程度。
痛みや腫れがあり、曲げ伸ばしや歩行時の痛みもあるが、一通りの動作が可能で、関節の不安定感  や運動制限がないもの。
 単純で軽度の捻挫でも、関節包の滑膜などが炎症を起こし、膝が著しく腫れて、いわゆる水が溜ま った状態になることがある。その場合は、荷重歩行時の疼痛が強く出て歩行困難となり、膝の曲げ伸ばしもできなくなることがある。



 内側側副靱帯損傷



 外側側副靱帯損傷


・膝の外側が腫れて痛い。膝の裏側も同時に痛くなることもある。
・膝の屈伸時にやや痛みが強くなる。
・膝を外側へ捻るように内反すると膝の外側の痛みが誘発される。



 内側半月板損傷


荷重歩行が痛くてつらい。特に階段を降りるときなどの痛みが強い。
・膝の曲げ伸ばしが痛みで困難。特に真っ直ぐ伸ばそうとすると痛みが強くなる。
・膝の内側の関節間隙 (かんせつかんげき:関節を構成する骨と骨のすきま)に圧痛がある。



 外側半月板損傷


・荷重歩行が痛くてつらい。特に階段を降りるときなどの痛みが強い。
・膝の曲げ伸ばしが痛みで困難。特に真っ直ぐ伸ばそうとすると痛みが強くなる。
・膝の外側の関節間隙に圧痛がある。




⑥前十字靱帯および後十字靱帯の損傷



・膝が著しく腫れ、曲げ伸ばしの動作が痛くてできない。
・立ち上がるときや歩行時に膝が不安定でぐらつくような感じもある。
・痛みのために荷重歩行が困難。
・膝の裏側やふくらはぎの上部に痛みが放散することがある。


後十字靱帯は、前十字靱帯の約2倍の太さがあり、とても強靭な靱帯なため、日常の動作の中で起こる外傷程度で損傷することはほとんど無く、交通事故(ダッシュボード損傷など)やラグビーやサッカー、レスリングなどコンタクトスポーツで起こる。


 膝窩筋腱損傷および弓状膝窩靱帯 損傷


・膝の裏側や外側に痛みや圧痛がある。
・膝を伸ばすと痛みが強くなり、歩くときの歩幅をやや狭くしないと痛くて歩きづらい。
・膝関節の不安定感は無く、屈伸動作もほとんど可能。
 


この傷害は、本来単独で起こることは少なく、多くは後十字靱帯損傷などに合併して起こる。単独で膝窩筋腱や弓状膝窩靱帯を痛める場合のほとんどが、膝反張などの膝のアイメント異常や十字靱帯損傷で関節の不安定性の後遺症を有している。また、この傷害の単独損傷では、損傷を起こす前に膝裏の疲労感や張りなどを感じており、歩行時やその他の動作の際に膝裏が伸ばされた瞬間に起こる。従ってその他の膝の外傷とは異なりわずかな外力で起こることが特徴。もし、強い外力で膝裏の痛みが出た場合は、十字靱帯損傷や半月板損傷などの可能性が高くなる




 膝蓋靭帯損傷(膝蓋腱炎、膝蓋靭帯炎)


・膝蓋骨の周囲の痛み、特に膝蓋骨の下端で靱帯付着部に圧痛や運動痛がみられる。
・膝の屈曲で痛みが増す。
・運動後や階段・坂道などの昇降後に痛みが悪化する


 この傷害は、反復動作により起こるもので、本来の外傷性捻挫とは区別すべき傷害。スポーツによる反復動作を原因とする場合がほとんどで、バスケットボールやバレーボール、サッカーの選手に多く見られる。また、外反膝や下腿の外旋異常、下腿の内反(下腿のO脚)など、下肢のアライメント異常を有している患者がほとんどを占めるのも特徴。これは、ステップや方向転換あるいはジャンプなどの動作で、アライメント異常を有している方は正常の方よりも膝の捻れが大きくなり、膝蓋靭帯(膝蓋腱)の付着部である膝蓋骨と脛骨粗面との距離が離れて、靱帯への張力が大きくなるのと、骨との摩擦が多くなるのが原因と思われる。



カッキーの独り言-hiza1

カッキーの独り言-hiza2

カッキーの独り言-hiza3





・膝の内側が腫れて痛い。
・膝に体重を乗せようとすると不安定な感じがあり、とても痛い。
・膝を深く曲げることが痛くてできない。
・膝を内側へ捻るように外反すると膝の内側の痛みが誘発される。