ある日、オークション画像を見ていたら、ちょっと古そうな両面印が出ており、印面が「従四位下藤原朝臣氏彬之印」、「大垣城主」とあった。

 

おお、これは江戸期の大名さん?毎週図書館で時代小説を3,4冊借りて読んでいるだけに反応していました。

 

また、大名さんの自用印は既に3セットあるし、この際これも欲しいなとチェック。安めの値段だったけれど、最後になって競ってくる方が居られ、ここまでにしときましょと諦めると、翌日になって出品者から連絡があり、最高入札者がキャンセルされたので、どうですか?とのこと。

 

えっ、怪しいなぁ?釣り上げてたのと違うのかな?

折角だし、送料負担して貰えるなら頂戴しますと返事したら、了解とのこと。

 

側款は無いものの、この刻は上手だし、味がある。当時の名のある篆刻家さんでも、無款のものは結構ある。これは、殿様の印を刻するのに側款入れるのを遠慮されたのかなぁ。印箋に押印して、署名されたものを付けているパターンも見かけるし。

 どなたかの印譜にでも載っていれば嬉しいのだけど。

 

印主は美濃国大垣藩の第10代藩主、戸田氏彬(天保2年5月11日~慶応元年8月8日)。江戸に向かう和宮の行列を警護、禁門の変では長州藩の家老福原元僴率いる軍勢を伏見街道で破るという功績を挙げている。さらに、水戸藩の天狗党・武田耕雲斎が中山道を上洛しようとした時は、これを妨害した(ウィキペディア参照)。

 

とのことらしい。印材自体は、月尾紫という石種ではないかと思っているが・・・