1月12日の日曜日午後14時頃、ルソン島の南部よりにあるタール火山が水蒸気噴火しました。(※13日未明にマグマが出ているため、すでにマグマ噴火と呼んでいいと思われます) 私は当日の18時くらいまで知らず、娘のスクールのグループViberで「Walang pasokだし、ケソン市からもclass suspensionの連絡来てるよ~」というお知らせで知りました。慌ててTwitterやテレビで情報収集開始しましたが、それでも私の住んでいるエリアは日曜日の夜も快晴、噴火と言っても大した事ないだろう、スクールの休校は念のためでしょう、程度に思っていました。

 

※walang pasokは仕事が休みという意味、台風とかでしょっちゅう発令されるので、「また来たか程度に思っていました」。

 

ただ、CNNフィリピンでは、What to do(するべき事)、What not to do(してはいけない事)がまとめられたTwitterや、深刻度を0から5の6段階で表すアラートレベルは4。今後も大規模で更に危険の高い噴火がすぐに起こる可能性が高いという事でした。

 

月曜日、朝もいい天気。「あーあ、うちの学校しょっちゅう休みだし。はー」程度に思っていたし、普通に出勤したきたヘルパーさんが「バタンガスあたりだけでこの辺は大丈夫でしょ」と言っていましたが、徒歩で通勤している夫から「意外と灰が道に落ちてるよ」とテキストが来た後、友人からもコンドミニアムのプールに灰がたまっている写真が送られて来て、じわじわと「あれ、意外と深刻なんじゃ?!」と思い始めたのが13日月曜日の午前中。家のプールをベランダから見てみると、プールの底にこんもりと灰がたまり、清掃の方がたが水質検査をしていました。

分かりにくいですが、木の陰になっていない灰色の部分が全部灰です。

 

様子を見てみようと近所のスタバにコーヒーを買いに出ましたが、コンド全体のエアコンが切られていました。これは、賛否両論あるそうですが、粉塵がまっている中エアコンをつけると、細かい粒子によりエアコンが傷つく、粉塵が部屋の中まで入り込むからだそうです。我が家も念のため昨日はクーラーを一回もつけず過ごしたました、ただ扇風機3台フル稼働です…。エレベーターに乗ると、マダム風の方に「マスクとサングラスした方がいいわよ。私のマスクみたいにピタッとするやつ」と日本のPITTAを進められました。どこで買ったのか聞くと、オーストラリアとの事…。買えないし、日本製だし…と思いながら、私も普通の日本で一箱50枚入り位のクオリティのマスクをつけて外に。

茶色の砂のようなのが火山灰
 

びっくりしたのが、普段外でマスクをしている人を見るのはほぼ皆無なのですが、すれ違う人の3/4以上の人がマスク着用。フィリピンでマスクするのは排ガス対策のみ、ジープニーに乗っている人やバイクの人がつけているのみで、それも布製のもの。医療用マスクをつけている人が町の中にいっぱいいて、「あれ、私色々情報に遅れているのでは?」と感じ始めました。念のためマスクを買っておこうと、マーキュリードラッグに行くも、朝の9時ですでに使い捨てマスク、N95マスクは完売…。あとでニュースで知ったのですが、普段は30ペソで売られているマスクが200ペソで売られていたそうです。足りないマスクと深刻な状況に付け込んで、高額でマスクを売る、やるせない気持ちになりますね。13日の午後には、「法外な値段でマスクを売った場合、○○ペソの罰金」という政府からの通達も出ていました。夜には、ドゥテルテ大統領が「マスクを買えない人(金銭的に)は無料で配布します」とのニュースも流れていました。

"Metro Manila (CNN Philippines, January 13) — President Rodrigo Duterte on Monday night said that the government will provide free respirator face masks following the reports of overpricing on the said products amid the spread of ashfall from Taal Volcano.

"Those who cannot afford masks, we will give it free [...] in times of crisis talaga all I can do to manage the situation is [to ask] the military and police,"

 

今回思ったのは、情報が早いのはTwitter。CNNやABS-SBN等の地元のテレビ局が一番情報が正確な感じがします。後は、個人のTwitterも町の情報を知るのには有力でしたが、政府から勧告も出ていたくらい嘘のニュースも多い。デマで火山爆発の写真が流されたり、「パサイのMOAは粉塵だらけだから行かない方がいいよ!」という嘘のポストがアップされていたり。災害の時こそ、冷静に情報を選択しなければと思いました。後、うちのヘルパーさんの話を聞いて思ったのが、ローカルの人が意外と警戒していない事。粉塵は目に見えないけど舞っているはずですが、「いい天気だし、灰なんて降ってないから大丈夫」と言っていたのが少し不安でした。ネットにつながっていない方や、火山灰についての知識がないと(普通ないですよね…💦)は、今起こっている状況がどういう事なのか、どういった健康被害があるか、何をしてはいけないのかを把握していない可能性が高いです(人によりますが💦)。前述したマスクの事もそうですが、こういった際にも貧富の差を感じました。お金や物だけではなく、情報だったり、災害時の知識だったり…。なんだかなあ。ショボーン

 

今のところ火山噴火は落ち着いていますが、改めて電気がなくても食べられる食糧(クラッカー、おせんべい、缶のスープなどなど)や水の備蓄、非常時に持ち出すカバンの確認をしなければと思いました。町はいつも通りに動いていますが、メトロマニラ全域の学校が休校のため、いつもよりずっと渋滞が少ないようです。普通に見えるけど、まだアラート4。気を抜かずに情報は追っていこうと思います。


そして、自分たちのことだけではなく被災地の事も…。被災したタガイタイ、バタンガス付近は厚い火山灰に覆われ、50万人近い人が火山から14キロエリアに、100万人近い人が17キロエリアに居住し、政府が避難を呼びかけています。大した量ではないし微力にしかなりませんが、娘の通うtutorial classでドネイションを募っていたので、オムツとおしりふき、サニタリーナプキンを購入し渡して来ました。

 

タール湖はマニラから約65キロ、横浜と成田空港くらいの距離。