2012年初読書は、この本でした。

困ってるひと/大野 更紗

¥1,470
Amazon.co.jp

知人のマネー・ヘッタ・チャンに紹介いただき、
早速本屋で手に取った1冊。

とにかく、たくさんの人、
学生、若手社会人、パパママ方、政治家、官僚、役所関係者、
医療関係者、大学関係者、福祉関係者、国際支援関係者etc…
いろんな立場の人に読んで欲しい、って思った1冊。

上に、特定のグループ分けで書いたのは、
これらの年代、もしくは業種の人達には、
直接のメッセージが込められていると思うから。

簡単に著者と、概要を書いておくと、
著者は、私と同い年、大学も同学年の、
東北の田舎から東京の大学に通うために上京してきて、
難民支援のNGOに所属してアジアを飛び回っていた、
一見「普通だけど超活動派」な大学院生の女のコ。

でも、「普通」でないのが、
日本でも前例のない難病にかかってしまった、という運命。

そんな彼女の、「半端無く困難な日々」を綴ったエッセー。

とにかく衝撃的な内容が続くが、
彼女は、自分の状況を、すごくユーモア溢れる表現で明るく、
すごく苦しい内容も、マンガのような躍動感のある表現で
書いている。

2度書くが、とにかく衝撃的。絶句の嵐。


日本は、福祉国家スウェーデンとまではいかないが、
社会保障に国の予算の約3割も使ってるのに、
本当に必要としている人に全然足りていない。
あまり必要のないところにいってしまってる分を
分けられたらいいのに。
(単純に書いているが、実際は難しいんだと思う。
まあそれより、国債費に4割以上使っている方が
問題だとは思うが、、、)


「困っているひと」は難民発生国だけでなくて、
日本にもたくさんいる。
「日本の難民」達は困ってるんだ、ということを、
私が上述したようなグループの人達に、彼女は訴えている。


私と同い年で、彼女が行ってたと推測している高校にも
同じ東北だから知り合いがいたような気がするし、
彼女通っている上智大学にも、知り合いがいるし、
どこかでつながっているかも知れない。

そう考えると、「ヒトゴト」とは思えない。

陳腐な感想になってしまうけれど、
たくさんの人に読んでほしい、って思う1冊です。


ちなみに、ご紹介いただいた
マネー・ヘッタ・チャンも、ヒット作を2冊書いている
著者さんで、東京時代に知り合いましたが、
昨年、名古屋に本職の方でいらして、
また仲良くさせてもらっています。
日本や世界のお金にまつわる事件や矛盾のエピソードを、
童話風のブラックユーモアで描き上げている方です。


世の中、矛盾や困難なことはたくさんある。

自分が、もしもその当事者になってしまった時に、
絶望したり自暴自棄になったり、欝になってしまわない
強さと、賢さを持っていたいです。