海軍艦艇のレーダー照射や空軍機の異常接近など中国の軍事的脅威が増すなか、尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる紛争のシナリオを「平時」「情勢緊迫」「本格紛争」などの段階ごとに提示した。部隊運用や武器に詳しい自衛隊OBの3人が編纂(へんさん)しただけあって分析は詳細かつ精緻だ。
尖閣奪還について「日本単独対処では中国は戦力を保持するが、米軍が本格参戦した場合は中国の国力が相当低下する」と予測。平時の対中抑止力として、南西諸島への部隊配置や東シナ海での大規模な日米共同演習、集団的自衛権問題の解決などの必要性を説く。(祥伝社新書・800円+税)