【昭和天皇実録を読む】幼・少年期 威張るライオンは嫌い? | 毎日のニュース

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 《この日、お好きな動物を鉛筆にて順番にお記しになる。第一はトラにて、第二ヒョウ、第三ワニ、第四ウサギ、第五イヌ…(中略)また、ライオンは威張っているとの理由にて(20位の)コバンザメよりも後と仰せになる》

 「昭和天皇実録」の3巻に書かれた、明治43(1910)年7月17日の記述だ。当時、昭和天皇は学習院初等学科3年の9歳。動物園に行ったり虫捕りしたりするのが何より好きな少年だった。

 ■“科学者”の素地

 同年7月3日《この頃、動物園遊びを頻繁にされる。(中略)別室を参考室と称され、動物に関する絵本等をお並べになり、動物の種類及び産地等を紙に記されてお示しになる》

 8月1日《(葉山御用邸に滞在中)海岸ではしばしば魚介類や藻類を御採集になり、また御用邸近傍の地においては捕虫網にて蝶などの虫捕りを行われること多く、捕獲された昆虫類は標本箱にて御整理になる》

 8月28日《西洋罫紙(けいし)に「てふとがとせゝり」(蝶と蛾とセセリチョウ)を題に、鉛筆にて「本州に居るもの」とお書きになり、(中略)「蝶蛾鱗粉(りんぷん)転写標本」により五十種ほどの名称を抜粋し、分類してお書き取りになる》